〈それぞれの四季〉「ワーキングマザーの憂鬱」/洪愛舜
2013年03月13日 10:58 コラムウェブマガジン「econ-mag」で「ワーキングマザー大百科」というコーナーを連載していて、毎回「働くお母さん」にインタビューをしているのですが、非常に考えさせられるものがあります。「子どもは仕事にマイナスにならない」「全ての女性が働き続けられる環境が大切」など綺麗事はいくらでも言えますが、理想論だけ語ってもどうにもならないわけで……。
子育てしながら「バリバリ働く」というのは、とても難しい。だって、「全力で仕事する」ことができないから……。仕事後、お迎えにいってご飯を食べさせてお風呂を入れて寝かしつける「余力」を残しておかないといけない。専業主婦がいる家庭の男性たちは、このエネルギーまで全て「仕事」にまわせると思うと、同じ「企業戦士」という土俵に立って戦うことはとても難しいのではないか、と思うのです。
それに、ある程度「諦めないといけない」部分もあります。例えば「徹夜当たり前」の仕事を、出産後も続けるのは難しい。でも、花形部署ほどそういう環境なわけで……。それはつまり、「子どもがいると、花形部署で働くのは厳しい」ということになります。せっかくがんばって就職して、実績も築いて、活躍の場を切り開いてきたのに、諦めないといけないの……?
と、「もやもや」がたくさん生じるのですが、ワーキングマザーたちに取材した後は、不思議なくらい爽やかな気持ちになっています。それはきっと、彼女たちが自分で自分の立ち位置を確立しているから。そんな姿に接するたび、初めに書いた「綺麗事の理想論」が「当たり前のこと」になれば、と願うばかりです。
(編集者)