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呉炳学画伯の卒寿祝う、「山川修平著『白磁の画家』出版記念」

2013年03月05日 14:40 文化 主要ニュース

統一祖国で展覧会を開きたい

「呉炳学画伯・卒寿のお祝い、山川修平著『白磁の画家』出版記念」が2日、東京・千代田区にある神田YMCAのレストラン・アリランで行われた。会場には、在日同胞、日本市民、著名人など約70人が参加した。

卒寿の呉炳学さんに花束が贈呈された

呉さんは、1924年平安南道順川生まれ。平壌商業を卒業し、42年に18歳で渡日、太平洋美術学校で本格的にデッサンを学んだ。45年5月25日、東京山の手大空襲下で奇跡的に生き残った。渡仏を計画するも国籍問題で果たせず、その後いかなる美術団体にも所属せず、ひたすらセザンヌを師として描き続けて現在に至る。

まずはじめに、司会者があいさつをした後、呉炳学さんと『白磁の画家』の著者である山川修平さんへの花束贈呈が行われた。

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-1-6 TEL. 03-6268-9714
株式会社三一書房。定価=2,400+税。

その後、呉さんのファンを自認する康原久子さんが呉氏に贈る表彰状を朗読した。表彰状には、「あなたは長きに渡り、絵画という芸術を通じて文化の発展に多大なる貢献をされてきた。しかし、あなたの夢である祖国統一はなされていない。また、在日という立場にあって残念ながらこれまで日本で賞の対象にはならなかった。よってここに卒寿の祝いを機に長年の研さんを高く評価する」と綴られていた。

呉氏は、「本を読んだらわかるが、こうみえて私は波乱万丈の人生を歩んできた。そして幸運にも現在の私がいる。私の絵は、民族的なものをテーマにしている。朝鮮の美意識――、タルチュンを中心としたダイナミックな動きと、陶磁器を中心とした静かな美意識。静と動の両方が我が民族の美意識であり、主に油絵を中心に表現してきた。そして世界的なレベルまで持っていきたい。それが私の念願で今までずっとやってきたし、これからも死ぬまで同じ気持ちで描いていきたい。そして統一した朝鮮で大きな展覧会をしたい」と、あいさつを述べた。

また、山川修平さんにはもっと本を書いてくださいという意味を込めて万年筆が贈られた。山川さんは、「私は、朝鮮民族と文化におぼれた人間だ。日本には、こんな日本人もいる。今日は、素晴らしい日を迎えられて本当に嬉しい。みなさんに感謝したい」と話した。

食事会では呉さんに関わる10人の人たちが祝辞を述べた。祝辞では、呉さんにまつわる様々なエピソードが紹介された。

(金秀卿)

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