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囲碁と先生

2013年02月27日 11:17 春・夏・秋・冬

教員、医者、政治家。いずれも先生と呼ばれる存在だ。囲碁界でも、大きな業績を残した先輩プロ棋士に一目置きながら、先生と呼ぶ春夏秋冬

▼アマチュアの場合はプロより徹底した実力社会とも言える。プロ棋士は、年下の棋士に対して先生とは呼ばない。7大タイトルのうち現在5つのタイトルを保持している天才棋士、井山祐太本因坊(23)に対してでもだ。しかしアマチュアの世界では、教えてもらう立場ならたとえ年下や部下であっても、先生と呼ぶことが多々ある

▼同胞の囲碁界を見ると、毎年ワンコリア囲碁大会を開催している大阪での地道な活動がよく知られている。一方東京では、昨年末から各囲碁クラブに先生を招くことがひそかなブームとなっている。月1回以上の割合で定期的に運営している台東、大田、渋世支部などの囲碁クラブでは、より活動を活性化させようと、高段者に声をかけている。在日本朝鮮人囲碁協会では、各同胞囲碁クラブの要請に積極的に応え、先生を派遣。とても好評だという

▼インターネットの普及によって、とくに若い世代はネット対局に走りがちだ。それでも同胞囲碁愛好家たちはクラブ運営日にはまめに足を運んでいる。同胞どうし向き合って石音を鳴らすのも、また、対局後の一杯も大きな楽しみだろう。一杯の場では先生などの階級は消え、普段の同胞社会に戻る。同胞の輪は盤上を超え、さらに広がりを見せている。(進)

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