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再会の喜びを明日への活力に/文学歴史学部創設20周年大同窓会

2024年03月29日 11:01 民族教育

再会の喜びに浸る同窓生たち

3月24日、東京都内で「文学歴史学部創設20周年大同窓会」(主催=文学歴史学部連合同窓会)が開かれた。卒業生や教員たちなど234人が参加した大同窓会の会場には再会の喜びを分かち合う声が溢れていた。

潜在力を発揮して

大同窓会の2部では、初めて誕生日を迎えた卒業生の子どもたちによるトルチャビなどが行われた後、歴代学部長によるあいさつなどの発言、各分野で活躍する卒業生たちの紹介があった。

トルチャビとは、初めての誕生日を祝うトルチャンチにて行われる朝鮮民族伝統の催し。子どもたちの前に供えられた品々の中から何を掴むかによって将来を占う。たとえば、筆や千字文を握ると文筆家、学者になるといったものだ。

この日は筆、千字文に加えてニンニク、朝鮮学校の国語教科書と現代朝鮮史教科書、文学歴史学部Tシャツなども並べられた。参加者たちが固唾をのんで見守る中、幼児たちは品々に向かって前進。金恵英さん(10期)の子どもが国語教科書を掴むと、会場からは割れんばかりの大歓声があがった。また、金玄徳さん(9期)の子どもは父親の足を掴んでいた。金さんは子どもに「立派な朝鮮人として育ってほしい」という願いを込めてニンニクを掴ませた。その願いに会場一同、大きな拍手を送った。

トルチャビにて、国語教科書に手を伸ばす子ども

一方、活躍する卒業生たちの一人として紹介された金鉉太さん(3期、東北初中教育会理事、宮城県青商会副会長)は「学校の財政を支えるために活動している。なぜ民族教育に心血を注ぐのか問われることがあるが、それはウリハッキョが同胞社会の未来に繋がると信じているからだ。今日集まった200人以上の卒業生たちが奮起し、同胞たちの潜在力を発揮させれば必ず明るい未来を開けるはずだ」と語った。

大同窓会に参加した黄秋栄さん(7期)は「久しぶりすぎて参加する前は緊張もあった」としながら「同級生たちと同窓会を開くことが難しかった中、期を越えて集まることで先輩や後輩たちとも会えて本当によかった」と述べた。

また、九州初中高で教員を務める姜華蓮さん(11期)は「各地の卒業生たちと会えて力を得る機会になった。自分が関心した教育研究の論文を執筆していた教員とも話ができて、刺激を得た」と述べ、「非専従、専従問わず同胞社会のために献身している卒業生たちの姿が印象的だった」としながら決意を新たにしていた。

参加率5割の秘訣

卒業後も変わらない思いで同胞社会に貢献しよう―。22年に企画が立ち上がった際、議論を重ね、目的の一致をみた。

その目的は同窓会での催しに反映された。本来、参加者が楽しめるような出し物を計画していたが、今も変わらない思いで同胞社会に貢献している卒業生たちを紹介することに多くの時間を割くことにした。そして、多くの卒業生が参加できるようにサポート基金を立ち上げた。サポート基金とは、遠方から来る卒業生の交通費負担を軽減する取り組み。交通費の問題は卒業生の大半が教員や専従活動家として旅立った同学部にとって、喫緊の課題であった。

全卒業生の半数以上が集った

「サポート基金がなかったら参加を渋っていたかもしれない」と吐露する山口初中の金ユラ教員(20期)は「同窓会に参加できて、基金に協力してくれたすべての関係者たちには感謝しかない」と話した。

同学部連合同窓会の車水蓮副会長(3期)は「自分を含む会長と副会長たちはみな専従活動家を経験した。今も専従活動家として活動する卒業生たちの思いを知る身として、この案は必ず推し進めようとなった」と話す。基金の対象者は全体の15%にのぼり、役員たちは対象者一人ひとりの費用を算出し公平に支給できるように努めた。そして各期の責任者を中心に募金の呼びかけが行われた結果、対象者たちの交通費を軽減することができ、行事当日に全卒業生の50%以上という参加率を出すことに寄与した。

車副会長は「直接会えない分、基金の趣旨をしっかりと伝えるために丁寧な連絡を心掛けた」としながら取り組みに応じてくれた関係者たちへの謝意を述べた。

(高晟州)

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