「朝鮮制裁、効果なし」/高まる外交交渉促す声
2013年02月21日 17:10 朝鮮半島 主要ニュース中国、「米・南・日の失策」
朝鮮の核実験を受け、さらなる制裁をもって圧力を強化しようとする米国の動きに対し、各国の要人やメディアが異論を唱えている。
中国の各紙は17日、「朝鮮の核実験、根源はどこにあるか」と題した国営新華社通信の記事を掲載。「朝鮮の核実験の標的は中国あるいは南朝鮮ではなく、米国だ。この問題に関しては、米・南・日の各々の政策の失敗がとがめられるべきだ。制裁や強制をもってしては朝鮮を屈服させることはできない。朝鮮は、安全な国際環境や開かれた国際経済政策が与えられない限り強い危機感を持たざるを得ないからだ」「朝鮮半島における核問題の複雑さの原因は、朝米間の60年におよぶ敵対関係にもある」と指摘した。
また、「朝鮮に対して米、南がいわゆる『太陽政策』を実施すれば朝鮮半島の緊張は緩和され、非核化実現の条件が生まれるということを歴史が証明している」とし、すべての関係国が朝鮮との外交接触を再開するよう求めた。
一方、ロシアのガチロフ外務次官は19日にモスクワで記者会見を行い、朝鮮の核実験をめぐる国連安保理の追加制裁論議について「朝鮮との貿易経済関係を損なう制裁に反対する」と表明した。
英フィナンシャル・タイムズ紙(14日付)は、朝鮮に関して「世界はもはや打つ手がないのが実情だ」と強調。また「一つ明らかなのは、現在の経済制裁にほとんど効果がないことだ」と指摘した。
元政策担当者も提言
米ブルームバーグ通信(13日)は、米国務省のスティーブン・ボズワース前対朝鮮政策特別代表が朝鮮の核実験と関連して「米国は北朝鮮との交渉のテーブルに戻らなければならない」と促したと伝えた。ボズワース前代表は2009年にオバマ大統領の特使として平壌を訪問している。
ボズワース前代表は、「(国連安保理による)対北追加制裁と声明がわれわれに安堵感を与えることはできるが、北朝鮮に実質的効果をもたらすとは思わない」と指摘した。
また同氏は15日(現地時間)、米スタンフォード大学アジア・太平洋研究所で行われた講演会で「単純な核問題の解決でない根本的で包括的な方式で(朝鮮に)アプローチしなければならない」と話した。「包括的な方式」については、停戦協定を平和協定に替えること、朝鮮に対するエネルギー、経済支援に関連する交渉などが含まれると説明した。
一方、ブッシュ政権でホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)アジア担当局長を歴任したビクター・チャ・ジョージタウン大学教授は12日(現地時間)、米国際戦略問題研究所(CSIS)のホームページに寄せた文を通じて、第3回核実験で朝鮮は米国の安保に対する直接的な脅威になったとした。
教授は「しばらくは緊張が高まることが予想されるが、歴史的に見ても危機が鎮静化すれば(米国は)外交のテーブルへと戻らざるを得ないだろう」と指摘した。
(朝鮮新報)