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“歴史に向き合い平和を願う” /東京大空襲79年朝鮮人犠牲者追悼会

2024年03月06日 14:29 歴史

献花する追悼会参加者たち。

東京大空襲79年第18回朝鮮人犠牲者追悼会〜歴史に向き合い平和を願う集い(主催=東京大空襲朝鮮人犠牲者を追悼する会)が2日、東京都慰霊堂(墨田区)で行われた。

総聯中央の任京河権利福祉局長、総聯東京都本部の高徳羽委員長、朝鮮人強制連行真相調査団の河秀光事務局長、東京朝鮮人強制連行真相調査団の西澤清代表など、同胞、日本市民ら130人が参加した。

1945年3月の米軍による東京大空襲の犠牲者は約10万人で、朝鮮人も約1万人が犠牲となったとされている。

参加者たちは犠牲者を悼み黙とうした。

国平寺の尹碧巌住職の読経の後、神奈川県在住の朴基碩さん(86)が7歳のときに東京大空襲にあった体験談を語った。

続いて、日本キリスト教協議会総幹事の金性済牧師が追悼の言葉を述べた。金さんは「群馬の森朝鮮人追悼碑の破壊は私たちの心を深く傷つけたが、その記憶を守ろうとする私たちの心、その精神を打ち砕くことはできない」とし、「東京大空襲によって祖国と故郷への帰還の道を絶たれ無念の死を遂げた朝鮮人を追悼するこの時間と空間も、私たちが大切に守り続けるならば、この世のどんな力にも壊されることはない」と述べた。

朝鮮の朝鮮人強制連行被害者・遺族協会から寄せられた追悼文が紹介された。同協会は「日本の過去の犯罪を清算するための正義の闘いにおいて、進歩的な人々との連帯と協力を引き続き強化していく」とし、「追悼会参加者が今後も、育ちゆく新しい世代と日本社会に歴史の教訓を正しく認識させ、朝・日両国人民の善隣友好をはかる活動で素晴らしい成果を収めることを願う」とした。

追悼会では、東京第5初中の中級部生徒らが追悼の歌(半月歌)を披露した。

東京第5初中の中級部生徒らが追悼の歌を披露した。

その後、水岡俊一参議院議員(立憲民主党)が寄せた追悼の言葉が代読された。水岡議員は「日本が過去と向き合い、アジア諸国の人々に信頼される国となれるよう、そして世界の平和のために、これからもみなさまとともに活動してまいります」とした。

また、日朝友好促進東京議員連絡会の羽田圭二共同代表(立憲民主党・世田谷区議会議員)が追悼の言葉を述べた。羽田代表は「無差別爆撃によって亡くなられた多くの市民と朝鮮人の皆様に、再び犠牲をもたらさないためにも歴史の真実に立ち、恒久平和を求めていく」と述べた。

追悼会では、朝青東京都本部と留学同東京地方本部による連名の追悼文が朗読され、大阪空襲75年朝鮮人犠牲者追悼集会実行委員会から連帯メッセージが寄せられたことが紹介された。

最後に、参加者たちが献花を行い、主催者を代表して東京朝鮮人強制連行真相調査団の西澤清代表が謝辞を述べた。西澤代表は、「力をあわせて、植民地支配・強制連行の真相を明らかにしていきましょう」と呼びかけた。

(姜)

犠牲者名を読み上げ/心に刻む集い

「東京空襲犠牲者の名前を読み上げ、心に刻む集い2024」が3日、東京大空襲・戦災資料センター(東京都江東区)であった。今年で4回目を迎えた集いには、朝鮮大学校の学生や留学同東京のメンバーにはじまり空襲当時に家族を失った遺族たちなど、幅広い層の参加者が集った。

アジア・太平洋戦争末期の1945年3月10日、米軍の爆撃により10万人を超える人々が犠牲となり、数十万人もの負傷者を出した東京大空襲。集いは、大きな数字で括られ紹介されがちな犠牲者たちには「私たちと同じように、名前、顔、人生があった」として、その一人ひとりに向き合う目的で2021年に始まった。また翌22年には初めて朝鮮人犠牲者の名前が読み上げられた。

実行委員会代表で、空襲当時に母と弟2人を亡くしたという河合節子さんは、この日読み上げに参加した人たちの心に「犠牲者の名前が刻まれ、集いが平和への道標になれば」と意義を訴えた。

東京朝鮮人強制連行真相調査団では、東京大空襲の朝鮮人犠牲者を1万人と推計している。この日の集いでは、そのうち185人の同胞犠牲者らの名前が読み上げられた。「東京大空襲朝鮮人犠牲者名簿」は調査団が作成したもので、「被徴用死亡者連名簿」など4つの資料を調査、分析しまとめられた。

今年の集いでは、会場とオンラインの2形式で参加した人々が、約2,700人の犠牲者を順に読み上げた。

(賢)

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