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米、南による戦争演習、「先制攻撃」想定/「北の挑発」口実に緊張激化

2013年02月19日 09:58 主要ニュース 朝鮮半島

トマホーク搭載原潜「サンフランシスコ」19年ぶり、南朝鮮海域へ

朝鮮は、自国の人工衛星打ち上げを違法視した米国主導の国連安保理制裁決議に対する自衛的措置として、第3回核実験を実施した。米国とその追従勢力は、「より強力な追加制裁」を云々しながら、朝鮮に対する軍事的圧力を強め、朝鮮半島の緊張を高めている。

19年ぶりに東海に投入された米原子力潜水艦「サンフランシスコ」(連合ニュース)

米国と南朝鮮の軍部は、いわゆる「北の軍事的挑発に備える」などという美名の下、大規模な北侵戦争演習に狂奔している。

米国の第7空軍司令部と南朝鮮の空軍作戦司令部は12日から15日まで、両軍の戦闘態勢を強化するための「戦時作戦準備訓練」を実施した。仮想敵機との空中戦や敵の攻撃拠点への精密爆撃を行う「連合攻撃編隊群」訓練、陸軍特殊戦司令部の訓練と連携した精密爆撃訓練などが行われた。

また、南朝鮮の海軍は13日から、艦艇20隻余りを動員し東海と黄海で大規模な海上機動訓練を行った。14日から16日にかけ東海で行われた訓練には、哨戒艦やミサイル艇、潜水艦、海上哨戒機などが動員された。

南朝鮮の陸軍第2砲兵旅団も15日から、江原道・中部戦線の砲兵射撃場で射撃訓練を実施した。

これらの訓練は朝鮮の核実験後に行われたものであるが、米国と南朝鮮による朝鮮への軍事的挑発は実験前から続いていた。

米軍と南朝鮮軍は2月上旬、朝鮮東海で連合海上訓練を強行した。この戦争演習にはイージス巡洋艦と共に米国の原子力潜水艦「サンフランシスコ」などが投入された。

射程距離1000kmを超える巡航ミサイル「トマホーク」を搭載している「サンフランシスコ」は、91年の湾岸戦争当時、米軍がイラクの軍事施設を焦土化させた武器でもある。

朝米対決が激化し米国が朝鮮に対する軍事攻撃計画を検討した1994年以来、19年ぶりに南朝鮮海域に入った。

また米国は1月末、本土にあった核搭載爆撃機B-2ステルス2機をグアム島に展開した。

具体的行動へ

一連の軍事的な動きは朝鮮に対する「先制攻撃」を想定している。

南朝鮮軍の鄭承兆・合同参謀本部議長は6日、「北が核兵器を使用する兆候があれば、先制打撃する」と述べた。米国側も、国務省のヌランド報道官が会見で、朝鮮を先制攻撃する可能性があるかとの質問に「われわれは検討対象からいかなることも除外しない」と強調した。

米国と南朝鮮のこうした「先制攻撃」想定は言葉だけでなく、具体的な行動段階として表れている。

南朝鮮軍は朝鮮全域を打撃できる巡航ミサイルを実戦配備した。

現在、米軍は偵察衛星などを使い「北の軍事行動」を事前に探知し攻撃兵器を打撃するという「キル・チェーン(kill chain)」システムを南朝鮮軍と共に構築している。

南朝鮮の金寛鎮・国防部長官は朝鮮の核実験実施直後に開かれた国会国防委員会の全体会議で、「(北の核兵器を)事前に破壊することが最善」と発言した。

米国と南朝鮮の軍部は21日、ワシントンで行われた拡張止制政策委員会(EDPC)で「先制攻撃」作戦の具体化について議論する。

一方、3月には米・南合同軍事演習「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」が行われる予定。朝鮮に対する核威嚇、軍事的圧力はさらに強まると思われる。「キー・リゾルブ」「フォール・イーグル」は、朝鮮を先制攻撃し占領するための戦争シナリオである「作戦計画5027」などに沿って行われる演習だ。

軍事的緊張状態が意図的につくり出されている朝鮮半島の現実は「米国の敵視政策には言葉ではなく力で対抗せざるを得ない」(朝鮮外務省声明、1月23日)としながら自衛的措置をとる朝鮮の主張の正しさを裏付けている。

(朝鮮新報)

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