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「早合点」

2013年02月13日 09:30 春・夏・秋・冬

核実験「米が早合点」ー11日付の各紙にこのような見出しが躍った。祖国平和統一委員会が運営するウェブサイト「わが民族同士」が9日、3回目の核実験をすると米国などが早合点しているという論評を掲載したという内容。「核実験を見送る可能性をほのめかして米国を直接対話に引き出す狙い」(朝日新聞)だという解説まで付けている春夏秋冬

▼調べてみると、記事は、無所属代弁紙を自称している統一新報のもので、核実験の見送りをほのめかすような内容ではない。米国などが第3回核実験の前から「強い制裁」「先制攻撃」まで口にしていることを批判し、「今回とる措置は、米国の圧殺策動と侵略行為に対応して民族の利益を守るためのものであって、誰かを威嚇するものではない」と主張した

▼朝鮮が核実験を予告したのは先月の末。いつ実施するのかが大きな焦点になっていた。日本メディアはその予告直後から、朝鮮の核技術や核実験場の構造、周辺での動きなどワシントンあるいはソウル発の情報を垂れ流した。ほとんどは憶測だった

▼予告したとおり、朝鮮は3回目の核実験を行った。またもや日本列島は大騒ぎだ。イラク戦争の引き金となった「大量破壊兵器」謀略説のように、米国によって真実を覆い隠す手法が巧妙に構築されつつある。北朝鮮は悪い国、というイメージを植えつけるためなら事実関係もねじ曲げて伝えるメディアに「早合点」は禁物だ。(進)

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