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知ってる?本人の意思

2023年11月08日 08:30 取材ノート

「人生観や価値観を知るプロセスが、その人の選択を見つけるACPの核になる。状況が変わり、環境が整わなくても、本人、家族、医療、ケアチームなどその場に居合わせた者たちで着地点を都度話し合っていくことが重要だと感じる」。

生まれた時から1世の祖父母と暮らし、その後最期を迎えるまで2人と共に過ごした筆者にとって、10月中旬に行われたホスピス研究会(医協西日本主催)での南珣賢さん(NPO法人エルファ事務局長)の報告はとても印象的だった。

同胞と日本の医療・介護従事者らが集う貴重な場として、年1回開催されてきた同研究会。今回は人生の最期に行う医療やケアについて「本人を主体に、本人による意思決定を支援する取り組み」であるACPがテーマとなった。

目まぐるしく過ぎゆく日々の中で、近しい人たちの人生観や価値観に触れることは中々ない。というよりも、パーソナルな空間を共有するからこそ「知っている」「理解している」などの「勘違い」から、改めて聞くことがなかったのかもしれない。けれどいざ聞かれると…正確にはわからない。

そんな状況で、本人が障害や疾患により正常な判断ができなくなったら?成年後見制度や医療・福祉サービスを拒んだら?いつか来る最期に、本人の意思を確認できない場合が多分にある。

「どのような暮らしを望み、どのような思いを抱いているのか」。家族の形はさまざまだが、大切な人と日頃から意見を交わし、互いに希望や考えを知ることの大事さを今かみ締めている。

(賢)

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