〈高校無償化〉「連絡会」が文科省訪れ抗議、「今までの審査は何だったのか」
2013年02月07日 13:31 主要ニュース「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」と東京朝鮮中高級学校の保護者代表などの約20人が6日、文部科学省を訪れ朝鮮学校に対する「高校無償化」制度の適用を求めた。
「あきれて言葉が出ない」
「連絡会」では今年に入ってからも引き続き文科省前でのスタンディングや要望・要請活動を行っている。1月18日に続いて、この日も文科省前でスタンディングを予定していたが、雪や強風などの悪天候のため中止したものの、文科省の担当者とは予定通り会い、各々の思いを伝えた。
「連絡会」側は席上、自民党政権が先月26日まで募集していたパブリックコメント(以下、パブコメ)がいまどのような状況にあるのか、結論が出されなかった適用審査の内容とは果たしてどんなものだったのか、今後パブコメや適用審査の内容などについて政府側から正式に発表または説明の機会が設けられるのかについて説明を求めた。
文科省側担当者は、「現在分かっている情報」として、集計したパブコメは3万件以上にのぼり、朝鮮学校への制度適用は「賛成と反対が半分ずつという観測だ」と説明した。
また1年以上続いた適用審査がどのような基準で行われてきたのかという質問に対しては「検討中なので現段階での回答は控えたい」としながら、「2月中にはパブコメの精査を含めて手続きを終えることを考えている」と述べた。この言葉に、落ち着いた口調で質問していた「連絡会」関係者たちは憤り、声を荒げた。
「連絡会」の森本孝子さんは、「10校しかない朝鮮高級学校に対しての適用審査が1年以上行われて結論が出ていないのに、3万件のパブコメの審査が2月内にまとまるとはどういうことか。下村大臣はすでに朝鮮学校を適用しない旨の発言をしている。すべてが最初から大臣の一言で決まるというのなら、いままで行ってきた審査は何だったのか」と問い詰めた。
この日神戸から駆けつけ、「連絡会」メンバーと席を共にした「日朝友好兵庫県民の会」の高橋秀典幹事は、「本来の行政手続きのあり方としては考えられないし、あってはならない。答えを先に伸ばして、困らせて、果てには根拠自体をなくそうということはどういうことか。政府自身がむちゃくちゃなことをしていることを自覚してほしい」と語気を強めた。
東京朝鮮高級学校オモニ会の朴史鈴会長は、「あきれて言葉にならない。この3年間、人間として扱われている気がしなかった。私たち学校関係者は政府が事あるごとに要求してくる査察、調査、資料の提供などすべて対応してきた。3年生の息子もついに何の光も見ずに今年卒業する。政府関係者がこれからどんな言葉を並べようとも民族差別としか受け取れない」と話した。
長谷川共同代表は、「『拉致問題』、『総聯との関係』などが教育的な問題とは言えない。あなた方の結論ひとつで在日朝鮮人の生活が左右されるということを自覚してほしい」と述べた。
「連絡会」側は政府が説明していないその他多くの「不明な点」について質問を続けようとしたが、「時間の関係上」受けつけられなかった。
「連絡会」は7日、衆議院第二議員会館において「朝鮮学校排除のための省令『改正』に反対し『高校無償化制度』の即時適用を求める院内集会」を行う。
(李炯辰)