〈戦時文学から見る朝鮮戦争 7〉戦争第四段階の文学(3)
2023年09月16日 06:00 寄稿崇高な精神はいかに培われたのか
戦線が膠着し戦争が日常と化した戦争第四段階(1951・6・11-1953・7・27)の2年間、作家たちは戦う朝鮮人民の精神を哲学的に総括し作品に反映させた。
生と死についての哲学
作家の黄健は月尾島で戦死した李大勲海岸砲中隊の記録に衝撃を受け小説を書こうとしたが、半年以上も筆をとれず苦心した。ある日、仁川郵便局の交換手に関する記事から着想を得る。敵が郵便局内に入る瞬間まで司令部に敵情を報告した交換手を通信手に変え、月尾島に登場させよう。「あれほど英雄的な海岸砲中隊員がそばにいる時、まっとうな人間であれば、あのような聡明な心を持たずにはいられないだろう。通信手が聡明になる物語は李大勲所属中隊員の聡明さを証明する話になり、かれらの英雄性がより際立つことにもならないか?」。こうして名作「燃える島」(1952)が生まれた。