〈高校無償化〉「朝鮮学校だけ排除は違法」、大阪と愛知で日本国を提訴
2013年01月25日 15:40 主要ニュース「高校無償化」制度から朝鮮学校だけが除外されている問題で、大阪朝鮮学園は24日、要件を備えているのに制度を適用しないのは違法であり、除外は不平等だとして、日本国に対し制度の適用を義務付けるよう求める訴訟を大阪地裁に起こした(記事)。
また、同日、愛知朝鮮中高級学校の生徒、卒業生ら5人も、朝鮮学校だけに制度を適用しないのは法の下の平等などを定めた憲法に違反するとして、日本国に対し除外による損害賠償の支払いなどを求め名古屋地裁に提訴した(記事)。
一方、この日、東京・港区の文部科学省前では、日本の市民団体「高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」のメンバーらによる抗議行動が行われた。参加した日本市民らは、朝鮮学校への制度適用を求め、声を張り上げ、ビラを配った。朝高生、保護者らも参加した。
高校の授業料を国が負担する「高校無償化制度」は2010年4月、朝鮮学校だけが対象から除外された状態で施行された。
日本政府は、「外交上の配慮などで判断すべきものでなく、教育上の観点から客観的に判断すべき」との統一見解を示したものの、朝鮮半島での問題を口実に、審査手続きを停止するなど、3年近くにわたって適用を先送りしてきた。制度施行から3年が経過しようとするなか、安倍政権は、朝鮮学校への適用の根拠となる規定を省令から削除しようとしている。
(取材班)
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