「非核化の終末」
2013年01月25日 12:17 春・夏・秋・冬「今後、非核化を論ずる対話はないだろう」-国連安保理の制裁決議に対して朝鮮は断固たる対抗姿勢をとった。決議をまとめた米国は朝鮮の出方を充分予想できたはずだ。過去にも同じようなことがあった。朝鮮は自国の自主権を侵害する行為を黙認したことがない。
▼今回も「核抑止力強化を含む対応措置」をとると表明した。さらなる制裁は意味がない。米国も判っているはずだ。朝鮮は世界で最も厳しい制裁を数十年間にわたり受けながらも、自力で実用衛星打ち上げを成功させた国だ。圧力に屈して政策方針を変更したことはない。態度を変えるとすれば、相手が対決路線をやめて対話の意思を示した時だけだ。
▼正しくない判断、間違った選択だと知りつつも、それを改めず、ズルズルと失策を繰り返す米国の自己欺瞞が朝鮮半島の平和を脅かしてきた。20年前に発表された朝米共同宣言で米国は朝鮮に対する核兵器不使用と核威嚇放棄、自主権尊重と内政不干渉を約束した。それが行動に移されていれば、現在のような核問題は生じていない。しかしホワイトハウスの主は、時代遅れの朝鮮敵視政策に縛られたまま行動し状況を悪化させた。
▼「チェンジ」を訴えたオバマ大統領も例外ではない。「核なき世界」でノーベル平和賞を受けた大統領が朝鮮半島の非核化プロセスを中断させた。朝鮮敵視政策の放棄を決断しない限り、彼の自己矛盾は一層深まる。(永)