李明博の特赦
2013年01月23日 11:38 春・夏・秋・冬李明博の最側近と言われる金喜中・前大統領府室長は11日、銀行から金品を不正に受け取った疑いで、懲役1年3カ月と追徴金3千万ウオン(約260万円)が宣告された。昨年7月に拘束、起訴されて以来、頑なに容疑を否認していた前室長だが、上告はしなかった。これによって刑が確定した
▼この他にも、収賄容疑などで刑を言い渡された李明博の親族、友人、側近らが上告を放棄している。ところが、彼らは決して罪を認め、反省しているのではない。刑が確定されるのを待っているのだ。刑が定まらないと、李明博が旧正月(2月10日)に際して行うという特赦の対象にならない
▼もともとは、大統領任期中の最後の特赦は昨年末に行う計画だったという。裁判中の李明博の実兄の刑が定まっていないので旧正月に先送りした、というのが南メディアの分析だ。実際に、大統領府スポークスマンは9日、特赦の対象に肉親と側近が入ることを否定しなかった。図々しい限りである。大統領自らが収監中の肉親や側近を赦免した例は類を見ない。絶大な権力を背景にした一族、側近らの私利私欲と金絡みの不正、罪を免れようとする鉄面皮ぶり。各界から非難の声が上がるのも当然である
▼「権力型の不正不法については、これまで幾度も明らかにしたとおり寛容にはならない」。この言葉は、他でもない李明博自身が09年6月のラジオ演説で述べた言葉。普通の神経ではない。(進)