〈取材ノート〉4.24の精神で
2013年01月22日 11:00 コラム朝鮮新報の昨年の「縮刷版」(定価5,000円)を開くと、そこには、20代から50代までの新報記者たちが、朝鮮や日本各地を飛び回った足跡が手に取るように見れる。さまざまなジャンルの記事を通じ、活動家や同胞のがんばりに改めて触れた。
一方、「高校無償化」制度から朝鮮学校に通う生徒のみが除外され、もうすぐ3年が経つなか、依然として「無償化」関連の記事も多くあり、権利獲得運動の広がりが実感できたが、ここにきて、局面が変化している。安倍新政権は制度適用の根拠となる規定を省令から削除しようとしている。まさに「差別の露骨化」。総聯支部主催の新年会に参加した同胞や同胞と共闘する日本市民らは、政府が民族教育を抹殺しようとしていることに呆れ、怒っている。
「4.24教育闘争のときを彷彿とさせる。あのとき、同胞1世たちが闘争に立ち上がったからこそ、現在も民族教育が続いている。次は私たちが子どものために闘う番だ」。ある女性同盟支部の非専従委員長は地域の新年会でこう話し、「無償化」問題で苦しむ生徒や父母の現状について詳しく説明した。
折りしも今年は4.24教育闘争から65周年を迎える。「時が流れ、時代が変わっても、4.24の精神を代を継いで継承しなければならない」。08年4月に朝鮮会館で行われた教育闘争60周年の集いで主催者は、このようなあいさつをした。同胞たちの権利獲得運動をいっそう盛り上げ、若者たちが奮い立つような記事を発信しなければと再認識した新年だ。(東)