同胞標的にした独自制裁
2013年01月16日 10:27 春・夏・秋・冬交渉相手との対話を拒み、圧力一辺倒では問題は解決されない。流行の体操にも出てきそうな当たり前のことである。拉致問題においても、対話なしには何の解決も、進展もないということはこれまでの歴史が物語っている。まして朝鮮は、圧力に屈して譲歩したことなどない
▼安倍政権は最近、昨年12月人工衛星を打ち上げた朝鮮への独自制裁を強化する検討に入ったという。その内容は、総聯幹部の朝鮮への渡航制限対象を広げ、送金報告義務の基準額を引き下げることなどだという。日本はすでに朝鮮に対して輸出入を全面禁止しており、カードを出し尽くした状態。独自制裁とは、結局は総聯と在日朝鮮人を標的としている
▼いくら在日同胞を弾圧しても拉致問題は進展しない。これもまた、当たり前のことである。対話の過程で信頼を築き、問題を解決する。これとは程遠い。安倍政権は真剣に拉致問題を解決させたいのか、甚だ疑問だ
▼日本人遺骨問題の根本的な解決も政府間協議なくしては進まない。このような認識のもと、昨年、政府間会談が始まった。両国間の諸問題を解決するためには、対話以外に方途はない。だからこそ拉致被害者家族も、昨年、朝・日政府間協議の再開を歓迎していた
▼6年前に政権を放り投げた安倍首相は、持病に効く新薬が出たのでもう大丈夫だと気を張った。当たり前に気づことのできる薬も早く開発されてほしいものだ。(進)