〈取材ノート〉16年前のガイドブック
2012年04月09日 15:35 コラム朝鮮の旅行ガイドブック「朝鮮 魅力の旅」が本社から1日、刊行された。観光、グルメ、ショッピング、宿泊などが項目別にわかりやすく紹介されている。
これは、1996年に発行されたガイドブックの改訂版だ。
96年版はどういうガイドブックだったかの開いてみた。16年間の朝鮮の姿よりも、巻頭、巻末に掲載されている広告が目についた。
その間に大きく変化した朝・日関係をあらためて思い起こした。
「うまいうまい焼肉-太白」「煙の出ない炭火焼-むげん」「ミノ刺の美味-高句麗」などと、新潟市内の焼肉店の広告がずらりと並んでいる。また、ホテルや日本の運輸会社の広告も載っていた。
当時、祖国訪問の手段の主流は「万景峰92」号で、新潟港からの出発だった。
親族との再会を楽しみにする同胞、初めて祖国の地を踏む修学旅行の生徒など、わくわくしながら到着を待つ同胞老若男女の姿がなつかしい。
現在は飛行機での往来を強いられ、言葉の通じない異国での乗り継ぎや荷物の重量制限がやっかいだ。さらに、昨年11月にサッカーW杯アジア地区予選の朝・日戦が平壌で行われて以来、荷物の「輸出入」制限はよりいっそう厳しくなった。日本当局は、訪朝自体を罪のように扱っている。
日本政府は今月上旬、またも対朝鮮「制裁」を延長した。正当な理由は何もない。単なる朝鮮と在日同胞に対する嫌がらせだ。絶対に許せない。改訂版を見ながら、憤る心を癒している。(姜)