宇宙の平和利用
2012年12月10日 12:35 春・夏・秋・冬今年4月、朝鮮が打ち上げる人工衛星の平和的性格をアピールするふたつの出来事があった。東倉里に位置する衛星発射場が海外メディアに公開された。記者たちがロケットに搭載される衛星の実物を確認した
▼一方、金日成主席の生誕100周年を記念する閲兵式には迷彩色を施された戦略ミサイルが大型16輪車に乗せられて登場した。金正恩第1委員長はこの日の演説で“軍事技術的優勢は、すでに帝国主義者たちの独占物ではない”、“敵が核爆弾で朝鮮を威嚇する時代にピリオドが打たれた”と表明している。そして4月にオープンした武装装備館(平壌市)にも閲兵式に登場したものと同型のミサイルが展示された
▼世界の注目を集めた迷彩色ミサイルの射程距離は公開されていない。しかし常識的に考えれば、軍部隊に配備された最新型ミサイルの性能は、博物館に展示されたものよりも数段高い。朝鮮の衛星発射を“長距離弾道ミサイルを開発するためのカモフラージュ”だとする主張があるが、当事国はすでにミサイルの実物を一部公開し「偽装発射」の必要性を否定している
▼閲兵式に先立つ衛星発射が成功を収めていれば、ふたつの異なる飛翔体の存在はより明確になったはずだ。朝鮮は8ヶ月ぶりに衛星を打ち上げる。ロケットに搭載された「光明星-3」2号機は前回と同じく地球観測衛星。軌道突入に成功すれば、宇宙から写真などの観測データを送ってくる。(永)