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〈取材ノート〉「土産話」を聞きながら

2012年12月08日 16:54 コラム

11月末に群馬で開かれた「朝鮮統一支持運動全国集会」では、4月の金日成主席生誕100周年に際して数年ぶりに朝鮮を訪問したという朝・日人士たちが、土産話に花を咲かせていた。

取材ノート久しぶりの訪朝で心温まる交流があったのに、帰途ひどい目にあったという話。朝鮮で買ったお土産を日本の空港の税関であっけなく取られた人が多かったようだ。若者や女性に対する対応がとくに厳しいという声もあった。

周知の通り、日本政府は朝鮮の核実験(06年10月と09年5月)とミサイル発射演習(06年7月)などを口実に、国連安保理決議に基づく制裁措置と日本独自の制裁措置の両方を実施し、朝鮮との間のヒト、モノ、カネ等の動きを制限している。とくに、輸出入は全面的に禁止している。

記者も今年5月、平壌からの帰り道に羽田の税関で約40品のお土産を没収された苦い経験があり、他人事とは思えなかった。

最近、遺骨問題から始まり朝・日赤十字、政府会談の流れの中で、税関での対応に多少変化が見られるといった声が一部あったが、朝鮮の衛星打ち上げ予告(1日)に対し日本当局は早速「制裁強化」を云々している。2009年4月の「光明星-2」号打ち上げの際には、日本独自の制裁が追加されたが、今回も同じようなことが繰り返されるのだろうか。再び締め付けが強化されるかもしれない。

ともかく、旅行者の大切なお土産をせっせと取り上げるといった愚かな真似はいい加減やめてもらいたい。制裁の被害にまつわる「土産話」は、これ以上聞きたくない。

(里)

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