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各地でヘイトクライム事件相次ぐ

2022年11月09日 15:00 社会を知る~今週のnewsトピック~

日本社会や在日同胞を取り巻くニューストピックを週に一度、紹介する。

各地でヘイトクライム事件相次ぐ

朝鮮学校と在日朝鮮人に対するヘイトクライムが各地で相次いでいる。朝鮮のミサイル発射に対するJアラートが発出された10月4日の夕方には、東京中高の中級部生が下校中の電車内で50代とみられる男性から暴行と暴言を受けた。その他の朝鮮学校に対してもヘイト事件が発生した。

10月5日には、四日市初中の男子児童が、登校中に通りすがりの男性から「ミサイル撃つなと言っとけよ」と暴言を吐かれた。同校が四日市北署に登下校の警護を依頼した後、児童へのいやがらせは起きていないという。県側は事件後の記者会見で、差別解消条例の浸透を急ぐ考えを示した。

10月21日、群馬県高崎市のJR新町駅に隣接する公衆トイレの個室ドアに「在日かんこく人を殺す会」「ヤレ ヤルンダおまえ達」などと、差別行為を扇動するような落書きが見つかった。落書きは21日夕方に同市在住の在日同胞が発見し、同日中に高崎署員が確認、24日に市職員によって消された。9月には、JR赤羽駅のホーム上にある横断幕に「朝鮮人コロス会」と書かれた落書きも見つかっており、落書きの内容などから今回の事件との連鎖性を指摘する声もある。

朝鮮学校や支援団体の関係者たちは、法務省人権擁護局への要請活動(10月18日)を行うなど、政府や地方自治体に対して引き続き差別是正に向けた働きかけを行う構えだ。

日米合同演習に非難の声

日米合同演習「キーン・ソード」が11月10日~19日にかけて南西諸島など日本各地で行われる。1985年に初めて行われたキーン・ソードは、日米同盟の強化を目的として隔年で行われてきた日米最大規模の合同演習。今回の演習には、自衛隊約2万6千人、米軍約1万人、日米合わせて航空機約370機、艦艇約30隻が動員されるほか、英国、オーストラリア、カナダ軍の部隊も加わる。

演習では台湾に最も近い与那国島の自衛隊駐屯地を、米軍が初めて使用する。このため、演習は中国の「脅威」を想定して日米協力を強化することが狙いだという見方が強い。防衛省は、演習を通じて、武力攻撃かどうか判別が難しいグレーゾーン事態を含む「あらゆる事態に即応するための抑止力・対処力を強化する」としている。

今回の演習には民間港湾や空港、公道などが使用される。自衛隊や米軍の部隊、車両、武器などが運び込まれている民間地域では、住民たちから演習の中止を求める非難の声が上がっている。

日本政府が節電要請、対露制裁も輸入継続

11月1日、日本政府は家庭や企業に対して今冬の節電要請を行うことを決めた。要請期間は12月1日から来年3月31日まで。数値目標は設けられておらず、室内での重ね着や暖房温度を下げることなど、無理のない範囲での協力を求めようとしている。

今回の節電要請は、ウクライナ事態と関連している。日本は、ウクライナにおけるロシアの「特別軍事作戦」を受け、米国に追従する形で西側諸国とともに対露経済制裁に加わった。一方で日本は、火力発電の主な燃料となる液化天然ガス(LNG)の総輸入量のうち、約10%をロシアに依存している。政府は、国内資源の少ない天然ガスに関しては対露制裁と線引きし、日本企業のロシア産LNG輸入を容認。8月には、三井物産と三菱商事がサハリンにおけるロシアの天然ガス事業の権益を引き続き保有することが発表された。

ウクライナ事態の長期化に伴い、LNGの安定調達に対する懸念が高まる中、日本政府は国民に対して節電を要請することでエネルギー危機の影響を最小限にとどめようとしている。

米主導の国際秩序から多極世界へ

10月24日~27日にかけてロシア・モスクワで第19回「バルダイ国際討論クラブ」が行われた。2004年に創設された同クラブは年1回行われ、著名な政治家、外交官、エコノミストなどが参加してきた。今年の会議には、ロシア、中国、米国、フランス、ドイツ、ブラジル、インド、南アフリカ、イランなど41カ国から111人の有識者たちが集まった。

会議で演説したプーチン大統領は、自らの覇権を維持しようとする米国と西側諸国の無謀な政策によって、政治、軍事、経済、人道的活動などの分野で、大規模な危機が発生しているとし、ウクライナ事態、台湾情勢の悪化、世界的な食糧及びエネルギー危機も西側諸国によって引き起こされたと非難。米主導の国際秩序を批判しながら、多極世界が世界各国の政治経済的な独立を回復する現実的かつ唯一の方法であると指摘した。

プーチン大統領はまた、南朝鮮の対外経済政策研究員長が述べた朝鮮の核兵器開発に関する質問に対して、自身の見解を述べた。同大統領は、核問題に関する朝米協議を頓挫させたのは米国であると指摘した上で、中国と共同で国連安保理に提出した対朝鮮制裁の緩和を求める決議案(2019年12月、2021年10月)に触れながら、ロシアは今後もこの問題で中国との協調的な立場を堅持していくつもりだと語った。一方、ウクライナに対する南朝鮮の武器・弾薬供給に関して否定的な見解を述べ、南朝鮮の軍事的関与を牽制する姿勢を示した。

(朝鮮新報)

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