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〈女性同盟結成65周年〉笑いあり、涙あり、女性同盟の底力示す

2012年12月03日 16:49 主要ニュース

母から子、子から孫へ絆深め

在日本朝鮮民主女性同盟結成65周年記念中央大会の第2部では、芸術公演「65年の思いを新たな時代へ」が上演された。出演したのは、首都圏を中心とした300人余りの女性たち。幕開けとともに色彩鮮やかなチマ・チョゴリに身を包んだ20代から80代の215人による大合唱「異国の空の下で」が会場いっぱいに響き渡った。

舞台では、民族管弦楽合奏「トゥレノリ」、女性同盟顧問たちによる合唱「祖国を歌う」、舞踊「バラの舞」、詩の朗読「大地は揺れても笑顔で行こう」、芸術扇動「応援団」など同胞女性たちの才能あふれる多彩な演目が披露された。背景となるスクリーンには、女性同盟65年の歩みが映しだされ、母から子、子から孫へと愛族愛国のバトンが受け継がれていく様子が伝えられた。笑いあり、涙ありの心に染み入る感動的な公演に、客席からは惜しみない拍手が送られた。

公演に拍手を送る観客たち

魅力あふれる舞台

楽団の代表を務めた韓明美さん(50、西東京在住)は、同胞女性民族管弦楽団の募集をよびかけると、さまざまなつながりをもつ20代から50代まで47人の女性たちが名乗りを上げたと話した。「基本的にはウリハッキョ出身の民族楽器経験者たち。中には未経験者も数人いる。9月から自宅や各地の朝鮮会館での練習を積み重ね、本番まで3回リハーサルをした」。それぞれ練習場所を確保することや、合奏の音楽的ニュアンスを伝え一つの曲としてまとめるのが難しかったと話す。しかし、「民族楽器という共通項をもって、年齢や居住地域が異なる女性たちが出会い、一つになれることが素晴らしいと感じた。せっかく知り合えたのだからこの経験を生かして、今後も何らかの形で演奏できたら」と思いを語った。

また別の出演者は、「本番が近づくと週に3、4回は練習に励むようになった。毎晩のように夕食を準備して出かける私に、子どもたちは『オンマ、今日も練習?』と言っていた。夜7時半から10時まで、学生時代に戻ったかのように民族楽器の演奏に夢中になった」と笑顔で語った。

民族管弦楽合奏「トゥレノリ」

東京・町田市で暮らす金聖淑さん(41)は、フェイスブックを通して学生時代の先輩・後輩たちに誘われたという。15年ぶりに楽器を取り出し演奏する過程に、「これからも民族情緒あふれるこの音色を子どもたちに伝え続けねば」と使命感にも似た思いを抱いたと言う。そして、「特に合唱曲『異国の空の下で』は、故・韓徳銖総聯中央議長の作詞による作品で、総聯同胞の苦難の道のりを高らかに歌ったもので感慨深いものがあった」と語った。

金伸江さん(36、東京)も14年ぶりに舞台に立ち華麗な舞を披露した。「これまで子育てに忙しくて踊ることなど考えられなかった。子どもたちが学校へ上がり、夏から週に1回本部の講堂に集まって練習してきた。今後も細く長く朝鮮舞踊に関り続けたいと思った」と述べた。

客席から拍手を送っていた金東海さん(47、福岡県)は、「さすが関東。元金剛山歌劇団や朝鮮歌舞団で活躍していた馴染み深い歌声を聞けてうれしかった。そして、地域文化サークルの底力を見せつけられた。すべての出し物が魅力にあふれていて、私も一緒に舞台に立ちたかったほどだ。特に芸術宣伝『応援団』が面白かった」と感想を述べた。

 次世代への願い

芸術扇動「応援団」の一場面

女性同盟65周年を寿ぐ華やかな祝賀宴。各地から駆けつけた各世代の幅広い女性たちが満面に笑みを湛えて会話を楽しんでいた。

大阪・鶴橋に暮らし、昨年米寿を迎えた金甲生さん。来年の春には90歳になる。済州島に生まれ、4.3事件で肉親が犠牲になり、解放後には、大阪大空襲でまさしく死と隣り合わせの過酷な体験をするなど激動の時代を生き抜いた。その後、夫と力を合わせ事業を成功させ、女性同盟や地域の学校、金剛山歌劇団はもとより、祖国をたびたび訪れ、あらゆる支援を惜しまないでいる。

長年活動してきた顧問へのインタビュー

「かつて、主席にお会いしたときのことは、言葉で言い尽くせない。あんな感激と幸福感は人生で後にも先にもない」。その感激が蘇ったのは、今年4月、平壌で行われた主席生誕100周年の記念祝典で金正恩第1委員長の演説を聞いた時だった。「主席と瓜二つの若き指導者の姿にどれほど感激したかわからない。祖国の人々が若き指導者の周りに結集して懸命に働いている姿を見て、もっと力が沸いてきた」。金さんは、女性同盟65周年の道のりを振り返りながら、「自分さえよければという社会の風潮があるが、それはよくない。一世たちが祖国や組織とともに歩んだように、次の世代も学校や地域のためによりいっそうがんばってほしい」と目を細めた。

そうした声は各世代の女性たちの共通の声でもある。

祝賀宴で踊る参加者たち

また、李京順・広島女性同盟県本部顧問(77)は自らの半生を「組織と共に歩んだ闘い、闘い、また、闘いの人生だった」と振り返った。「祖国と同胞社会のために尽くすことができたことを誇りに思う。母は女性同盟の前身の婦女会の頃から、分会長として活動していた。私は21歳の頃から女性同盟一筋ですでに活動歴は半世紀を越えた」と感慨深く振り返った。李さんは帰国事業で両親、7人の姉妹全員が帰国して、日本に一人だけ残ったと述べながら、「寂しいと思うときもあったが、いつも同胞たちが身内同然に励ましてくれた。同胞のなかで、価値のある生き方を見つけ出すことができた」ときっぱり話した。結婚相談所の所長としても活躍する李さんは、民族の代を絶やさないためにも、民族結婚の重要性を説くことも付け加えた。

(文―朴日粉、金潤順、写真―盧琴順)

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