〈人・サラム・HUMAN〉九州大学名誉教授/西谷正さん(83)
2022年06月11日 09:00 共和国“歴史を直視し友好関係を”
今年4月、朝鮮大学校朝鮮問題研究センターが主催する連続講座「古代朝鮮と日本」が開講した。古代朝鮮と日本の関係史を理解するうえで重要な観点を提供する講座は、年間を通じて、合計7回の講演が予定されている。
同講座で、4月から6月までの3回(シーズン1)にわたり講師を務めるのが九州大学名誉教授の西谷正さん(83)だ。
朝鮮半島を中心に東アジアの古代史を比較考古学的に研究してきた西谷さんは、朝鮮にある高句麗壁画古墳群が2004年に世界文化遺産に登録される際、国際記念物遺跡会議(ICOMOS)の審査員として登録を強く推薦。古代の朝・日交流文化を学術研究に基づき発掘し、朝鮮半島と日本の友好発展に寄与してきた。
西谷さんは「高句麗からの渡来文化~強大国の誇り高く」をテーマに講演した第1回目の講座の日、「50年ぶりに朝鮮大学校を訪ねた」と、同学関係者らに謝意を示していた。
講演を終えた西谷さんに、今回講師を引き受けた理由について聞くと、こう返事が返ってきた。
「長い歴史のなかでいろんなことがあるが、悪かったことは直視し、二度と起こらないように努めなければならない。一方で、良かったことはどんどん継承、発展させていく必要がある。そのような過程で友好関係が築かれていくと思っている」。
西谷さんが講師を務める連続講座の第3回目は、6月18日に開催される。
(賢)