〈広島無償化裁判〉日本朝鮮学術教育交流協会、千葉ハッキョの会・日朝友好千葉県の会が抗議声明
2021年08月05日 15:30 主要ニュース 民族教育朝鮮高校無償化「求め続ける」
朝鮮学校を高校無償化制度の指定対象から外したのは違法だとして、広島朝鮮初中高級学校を運営する広島朝鮮学園と同校卒業生109人が国を相手取り起こした国賠訴訟(広島無償化裁判)。同訴訟は、7月27日付での最高裁決定(林道晴裁判長)で、原告の主張を退けた1審判決(17年7月19日、広島地裁)、2審判決(20年10月16日、広島高裁)が確定。これにより、2013年の大阪・愛知を皮切りに、広島、東京、九州の全5カ所で行われてきた朝鮮高校への無償化適用を巡る訴訟が終結した。
これと関連し、最高裁決定と同日付で日本朝鮮学術教育交流協会が抗議声明を発表した。
声明では、朝鮮高校を無償化の対象から除外した国の措置に対し「適法」と判断した日本の司法は「公正・正義を求める声を聞くことなく、またしても歴史に恥ずべき判断を下した」と非難。そのうえで、不当な司法判断の根底には、戦前からの朝鮮人敵視・差別政策を継承した外国人政策など「根強い朝鮮人差別」が存在すると指摘した。
また声明では、昨今、高校無償化からの朝鮮高校除外に限らず、在日朝鮮人に対する差別的処遇などの是正を求める度重なる国連勧告について、日本政府が無視していることにも言及。露骨な差別政策が野放しの状態であると警鐘を鳴らしたうえで、「朝鮮高校の無償化適用のみならず朝鮮人の人権保障に今後とも取り組んで行く」と強調した。
一方、同じ日に、千葉朝鮮学校を支える県民ネットワーク(千葉ハッキョの会)・日朝友好千葉県の会も、同種の抗議声明を発表した。
(賢)