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大使の寄稿文を通じて表明された朝中の協力意志

2021年06月23日 10:45 主要ニュース 共和国 対外・国際

戦略的疎通の主題は「平和のための貢献」

最近、中国に駐在する朝鮮大使と朝鮮に駐在する中国大使が金正恩総書記と習近平総書記の平壌首脳会談2周年に際し、双方の党機関紙である人民日報、労働新聞(21日付)にそれぞれ寄稿文を送り内外の注目を集めた。寄稿文は「朝中の戦略的な意思疎通の強化と調整」の必要性について言及し、特に「地域の平和と安定のための積極的な貢献」について強調した。

「情勢を安定的に管理する」

両大使の寄稿文が党機関紙に掲載されるのに先立ち、平壌で開かれた朝鮮労働党中央委員会第8期第3回総会では、情勢に応じて国家的な重大事業を強力かつ正確に推進する問題が討議決定された。最近の急変する朝鮮半島周辺の情勢については、総会の直前に召集された党中央軍事委員会第8期第2回拡大会議(11日)においても言及された。ここでは、人民軍が労働党の軍建設路線と方針を頑なに貫き、「高度の激動態勢を堅持」することが強調された。

党中央委員会総会では、現在の国際情勢に対する分析と労働党の対応方針に関する問題が単独議題として扱われ、金正恩総書記が、最近、国際政治の舞台で起きている主な変化と朝鮮を取りまく対外的環境について概括し、評価を下した。

中国大使が労働新聞に寄稿した。

特に新たに発足した米国バイデン政権の対朝鮮政策動向を詳細に分析し、今後の対米関係で堅持する戦略戦術的対応と活動の方向を明示した。ここでは国家の尊厳と自主的な発展利益を守り、平和的環境と国家の安全をしっかりと担保するには、対話にも対決にも全て準備しなければならず、特に対決にはさらに抜かりなく準備しなければならないという言及があった。

党中央委員会総会では、重要な国際・地域問題に関する朝鮮の党と政府の対外政策的立場と原則も表明された。金正恩総書記は、朝鮮の戦略的地位と能動的な役割をさらに高め、有利な外部環境を主動的に整えていくことについて言及しながら、「刻々と変化する状況に敏感、機敏に反応、対応して、朝鮮半島情勢を安定的に管理することに尽力する」と明らかにした。

情勢を安定的に管理し、地域の平和を担保するために朝中の党と政府は一貫して共同歩調をとる。両大使が寄稿文で明らかにした見解と立場は、その明確なシグナルである。

平壌会談と伝統の継承発展

李進軍・駐朝中国大使は、平壌における朝中首脳会談2周年に際した労働新聞への寄稿文で「中朝両国は共に苦難を乗り越え、平和の尊さを知っている」としながら、朝鮮と「平和を守護し、未来を共に開拓していくだろう」と表明した。

金正恩委員長と習近平主席が対面し、会談した(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

2年前、習近平総書記の朝鮮訪問(2019年6月20日、21日)を機に、平壌で会談した朝中首脳は、先代の指導者たちが築いた友好親善の経験を総括し、今後の朝中関係発展の前途を共に設計した。その後、朝鮮半島非核化のための対話が中断し、コロナ禍により世界的な保健危機が悪化したが、朝中首脳は国際・地域情勢において深刻な変化が起きる最中にも、戦略的な意思疎通を緊密にし、両国の協力関係を新たな高みへと発展させていった。

朝鮮大使が人民日報に寄稿した。

今年3月、朝中首脳は口頭親書を交換した。総書記は口頭親書で、1月に行われた労働党第8回大会で朝鮮半島情勢と国際関係の状況を真摯に研究、分析したうえで、国防力強化と北南関係、朝米関係に関する政策的立場を討議決定したことを詳細に通報し、「敵対勢力の全方位的な挑戦と干渉策動に対処し、朝中両党・両国が団結と協力を強化することを強調」(朝鮮中央通信)したという。

「敵対勢力の全方位的な挑戦と干渉策動」に対処した「朝中の団結と協力強化」の立場は、中国に駐在する朝鮮大使の人民日報への寄稿文でも表明された。中国共産党が指導する社会主義を「独裁体制」と見なし全面否定する勢力が、中国に既存の国際秩序に対する「挑戦」「脅威」のレッテルを貼り、不当な内政干渉を露骨に続けていることについて、李竜南大使は「朝鮮は中国が台湾、香港、新疆ウイグル、チベット問題などで核心的利益を守り、国家の主権と領土保全を守るために行う措置を全面的に支持し、今後も常に中国の同志と共に立つ」とし、「朝中両国が緊密に団結し、戦略的な協力関係を絶えず強化発展させていけば、敵対勢力の挑戦と干渉策動を粉砕することができる」と確言した。

社会主義共同戦線の威力

2年前、朝鮮を公式訪問した習近平総書記は、朝鮮の新聞に一斉に掲載された自身の寄稿文で朝鮮戦争に由来する「中朝友好の歌」について言及し、1950年代に共同の敵に対抗して一つの塹壕で肩を組み戦った「抗美援朝・保家衛国」の伝統を想起させた。

朝中の伝統的な友好親善関係は、政治・経済・軍事・文化など各分野で発展し、それは朝鮮半島の平和と安定守護に大きく貢献をしてきた。今年は朝中友好協力及び相互援助に関する条約が締結(1961年7月11日)されてから60周年を迎える年だ。朝中の友好関係がこのように世紀を超えて強化発展したのは、隣国であるという単なる地理的条件だけが理由ではない。

金正恩総書記は訪朝した習近平総書記と共にマスゲームと芸術公演「不敗の社会主義」を観覧した。(2019年6月20日、朝鮮中央通信=朝鮮通信)

2年前、金正恩総書記は、習近平総書記を歓迎する宴会で演説し、社会主義こそ朝中親善の変わらに核心であり、力を合わせて社会主義を固守し輝かせていくことに朝中親善の特殊性、不敗性があると強調した。

社会主義共同戦線に立脚した朝中両国の団結と協力は、敵対勢力が示威する「同盟」「共助」よりも優位性がある。朝鮮は今後15年ほどで社会主義強国を建設するという構想を表明しており、中国は今年の共産党創立100周年に続き建国100周年を迎える2049年までに「中華民族の偉大な復興」を成し遂げるという構想を明らかにしている。圧力と打算の主従関係に置かれた国々も「情勢の安定的な管理」を喧伝するが、多くの場合、一時的な危機回避のための近視眼的なアプローチに終止する。一方、常に一つの参謀部で緊密に協力する社会主義朝鮮・中国は共同の理想を実現する未来を見据え、より大局的で長期的な見地から、平和保障のための最も的確な戦略戦術的対応をとることができる。

(金志永)

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