〈高校無償化〉日本の大学教員ら、首相、大臣らに要請書提出
2012年11月16日 11:47 主要ニュース 民族教育4日間で796人の賛同得て
「『高校無償化措置』を朝鮮学校に適用することを求める大学教員の会」の代表らが15日、文部科学省を訪れ、内閣総理大臣、文部科学大臣、内閣官房長官に宛てた要請書を提出した。
要請書は、▼「高校無償化」制度を速やかに朝鮮学校に適用すること▼審査を政治的に停止してきたことに鑑み、2010~2011年度の朝鮮高級学校在校生に対しても、「高校無償化」制度を遡及適用すること▼この間の日本政府による作為・不作為によって朝鮮学校の生徒と関係者が被った精神的苦痛に対し、公式に謝罪すること--の3点を求めた。
今回の要請活動は、同志社大学、東京大学、一橋大学、大阪経済法科大学、大阪大学、滋賀県立大学、京都大学、東京外国語大学、大阪産業大学、早稲田大学、千葉大学、お茶の水女子大学の(順不同)教員らの呼びかけによるもので、今月11日正午から14日夕方までに日本国内外の国・公・私立大学および大学相当の教育・研究機関に在籍する教員ら796人が賛同した。
この日、代表らは、「日本には留学生がいないと成り立たない学校もあり、日本の国籍を持っていない学生もたくさんいる。ほぼすべての大学が朝鮮学校卒業生の大学受験を認めているのに、教育的、制度的な問題がどこにあるというのか」「朝鮮学校生徒は、不利益を被っている、差別を受けていると感じている。彼らが今後、社会に出て、日本政府に対してどう思うだろうか。それこそが『歴史的な不正』だということを認識すべきだ」「審査に時間がかかっているというのは、言い訳にならない。国際化されていない現状を認識し、打開すべきだ」などと話した。
対応した文科省の担当者は、審査が遅れているのは、年度が変わり再度資料をもらっているのと、各種報道を行政として確認しているためだと説明。2010年11月5日に文科省が発表した審査基準に基づいて慎重に審査していると述べ、審査結果の時期などについては申し上げられない、卒業生の予算については改めて検討すると話した。
「大学教員の会」の代表らは要請書提出後、文科省内で記者会見を開いた。東京外国語大学大学院教授の中野敏男さん、一橋大学大学院教授の坂元ひろ子さんらは、「在日朝鮮人に母国語を教える朝鮮学校を、文科省をはじめとするいろんな方々が視察している」と述べ、「自分の目で見て、懸念を払拭してもらいたい」などと記者らに呼びかけた。
「大学教員の会」は、2010年3月、2011年3月に朝鮮学校への「高校無償化」制度即時適用を求める大学関係者の要請書をそれぞれ約1000人の賛同者を募って政府に提出するなど、朝鮮学校生徒のための活動を継続的に行っている。
(李東浩)