〈春・夏・秋・冬〉「パチンコ」を読む
2021年03月23日 08:00 春・夏・秋・冬従弟から届いた結婚式への招待。親族が一堂に会すこともままならない昨今、この上ない吉報だった。ただ一点、「通名での参加」の条件を除いては。一貫して日本の学校に通い、一流大学を出て上場企業に勤める従弟は、朝鮮人であることの生きづらさを苦に「日本人」として生きていた―
▼在米の同胞作家による小説「パチンコ」。1910~80年代、朝鮮人が人間以下の扱いを受けた受難の時代を生きた祖母、母、息子、孫の在日4代記で、原作の英語版は全米で100万部のベストセラーとなり、朝鮮語と日本語でも翻訳出版された