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〈それぞれの四季〉「使命」/李京柱

2021年01月20日 16:22 コラム

大阪朝高ラグビー部の長く熱いシーズンが終わった。コーチとして傍で見ていた私だったが、ふと思った。なぜこんなにも胸を打たれるのか。

この情勢下におけるチーム作りは、どのスポーツ、どの地域においても、困難を極めたはずだ。大阪朝高ラグビー部も例外ではない。

昨年3月初めから3カ月間、チームの全体練習はなかった。6月中旬から練習再開、でもどこか身体は重く、身が入らない日々。敢行した菅平合宿でも、対戦校が定まらない。9月に入ると主力が軒並み負傷した。このコロナ禍による「『どうせ』という諦念」はチームにも押し寄せた。一度ではない。何度も、何度も。

でも、それでも、彼らは歩み続けた、変わり続けたのだ。下を向いてもまた上を見上げ、立ち向かい、挑戦したのだ。

数々の場面で紹介されたスローガン。それを横目に私はこう思った。「彼らの『使命』は日々の練習の中で果たされ続けたのだ」と。

結果に結びつくか分からない、大会自体がなくなるかもしれない、じゃあこんな辛い練習をして意味があるのか。もしその過程にいた彼らに聞いたなら、苦い表情を浮かべるに違いない。

でも、今は違う。彼らは、胸を張ってこう言う。「あの時を乗り越えたから今がある」と。

新チーム18人。数字だけを見るな。日々の練習を、日々の成長を、日々の彼らを見ろ。100人だろうが3人だろうが、そこに人がいる。

人がいる限り、この物語は続くのだ。

まだまだ続けよう。そう自分に自戒しながら。

(大阪市在住、教員)

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