〈ピョンヤン探訪④〉平壌第1百貨店、ファッションを気軽に楽しむ
2012年10月26日 16:53 主要ニュース 共和国良質商品、安価にショッピング
【平壌発=周未來】平壌女性たちのおしゃれ事情を探るべく市内屈指のショッピングスポット、平壌第1百貨店を訪ねた。
国産化粧品が人気
平壌第1百貨店のエントランスに足を踏み入れると、目に飛び込んでくるのは化粧品売り場だ。
売り場の壁一面には基礎化粧品からポイントメイク用品、日用品、香水など様々な商品が並んでいる。販売員と客を挟んだガラスケースにも、多種多様な商品がびっしり。10月上旬、開店時間の午前10時直後に入店したが、すでに多くのお客たちが商品を選んでいた。
キム・チャソン副支配人(55)によると、「置かれている化粧品の数は、約200種類。すべて国産商品を扱っている」という。
特に基礎化粧品類は、美白やアンチエイジングなど顧客それぞれのニーズに合わせた多彩な商品が揃っている。「平壌化粧品工場で生産されている『銀河水』(ウナス)シリーズも人気だが、不動の人気はやはり新義州化粧品工場の『ポムヒャンギ(春の香り)』シリーズ。どのような状態の肌にも合う使いやすさが好評でリピーターも多い」と、販売員のユン・ファスクさん(34)。
近年、第1百貨店では「商品展示会」が定期的に行われている。全国の工場、企業所が参加し、新商品開発のアイデアと品質向上を競い合う。高い評価を得た商品は第1百貨店の売り場に並ぶ。化粧品分野ではすでに輸入品を締め出した。国産品は輸入品より価格が安い。平壌の女性たちにとって化粧品は手に届きやすいものになった。
ニーズに素早く対応
客のリクエストに対する販売員の対応は積極的だ。最近、各自の売り上げ高などによって業績を評価するシステムが新たに導入されたという。第1百貨店は商品を生産する工場、企業所と直接取引を行っている。売り場で確認された客の商品ニーズは随時、生産現場に伝えられる。
物不足が続いた1990年代後半から第1百貨店でも輸入品を扱った。現在、化粧品売り場は「国産品100%」の水準に達したが、2階に設けられたカバンや靴などの婦人雑貨売り場には輸入品が陳列されている。色や形、デザインが豊富に取り揃えられており、客足もひっきりなしだ。
「靴は、体型のバランスがよく見えるので、ヒールの高いものが人気。色は服に合わせやすい黒を選ぶ人が多い」「若い女性は、形のしっかりしたあるバッグを好む。比較的安価なエナメルバックも人気だ」と販売員たちが人気商品の傾向を教えてくれた。
世代や職業を問わず、平壌の女性が実践するるおしゃれの基本は「エレガント」だという。同色系を組み合わせたコーディネートが、上品に見せる「コツ」だと話す。
冬の寒さが厳しい平壌では、ファッションの季節区分は春秋と夏、冬の3つに分けられるという。「秋の少し肌寒くなってきた昨今では、パンプスのみならずブーティーも人気」と店員。「ブーティー」はくるぶしが出るぐらいの丈のブーツ。日本でも若い女性が好んで履いているが、最近、平壌の街角でもよく見かける。
3階には、国産品を取り揃えた婦人小物売り場がある。輸入品と比べデザインの多様性が少ない印象を受けるが、「購入者は輸入品売り場より多い」と靴売り場の販売員キム・ソンギョンさん(40)。「国産の方が、安価なのに良質で物持ちがいい」ことが人気の理由だという。
3階の国産小物売り場では、2階の輸入品売り場での売れ筋商品も常にチェックしている。ニーズの高い商品をより安価で市民たちに提供するためだ。
ちなみに、「ブーティーは、昨日工場に発注したばかり」とキムさん。「もうまもなく国産の商品が店頭に並ぶ」と嬉しそうに語った。
(朝鮮新報)