〈ヘイトの時代に 7〉「傷ついたままじゃない」/事件越え、未来描く同胞学生たち
2019年12月18日 09:57 主要ニュース2009年12月4日に起きた京都第1初級(当時)への襲撃事件から今月で10年が経過した。事件を目の当たりにした児童たちは現在、京都中高、朝鮮大学校などで学ぶ。学生たちはこの間、事件が自分たちにとって何を意味したのか問いかけつづけてきた。そして得た答えについて語ってくれた。
認識
事件当時、初級部高学年だった朝大の学生たちは「当日は、何が起きたのかよく分からなかった」と口をそろえる。教員たちがカーテンを閉め、できるだけ窓に寄らないように指示したためだった。「そこでは先生が自分たちをしっかり守ってくれた」(慶秀展さん、外国語学部4年)。
柳景哲さん(外国語学部4年)は中級部に入って、はじめて友人たちと一緒に当時の映像を見て、事件がどのようなものだったのか詳しく知るようになった。それまでは映像を見ないよう親に止められていた。映像を見たことで事件を初めて思い出し、そして「深く傷ついた」。
「自分自身の存在も否定され、ウリハッキョも否定されて、自分が日本でどういう立場にいるのかということ、日本社会の中には自分たちを蔑んでいる人もいるということを初めて知った」。
当時はただ学校に通っているだけの自分たちが、なぜそのような言葉を浴びせられたのか、理解ができなかった。しかし、存在自体を否定するヘイトスピーチに自己のアイデンティティが傷つけられたこと、日本で朝鮮人が生きることの難しさを、事件を通じてはっきりと認識した。
映像には自分たちに向かって汚い言葉を浴びせる襲撃者たちが映っていたが、それよりも強く印象に残ったのが、子どもたちを守るために闘う大人たちの姿だった。