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〈ものがたりの中の女性たち 29〉「寧為鶏口、無為牛後」/金彩鳳

2019年12月14日 09:00 主要ニュース 文化・歴史

あらすじ

紅葉が美しいある日、金彩鳳と姜弼成は出会う。二人の仲に気が付いた彩鳳の母は二人を婚約させる。彩鳳の父金進士は、都で権勢を誇る許(ホ)判書の門客金良柱(キムリャンジュ)を頼みに出世の道を探る。金良柱は金進士に娘がいることを知り、娘を許判書の妾に差し出し、その代価に出世を勧める。承知した金進士は許判書にも約束し帰郷。金進士が娘を連れて上京しようと言うと夫人は驚愕、彩鳳は大いに悲しみ涙を流しこれを拒絶。夫人と彩鳳の大反対にもかかわらず金進士は田畑と家財を売り払い強引に上京。ところが金進士一行は道中山賊に襲われるが、彩鳳は聚香の計略で母との寝所を抜け出し両親に黙って平壌に戻る。

財産を奪われた金進士は許判書に訳を話すが、投獄される。夫人は娘を探し平壌に戻る。彩鳳は平壌で聚香の実家に身を寄せ、妓生である聚香の母に妓女になることを勧められるが拒否、しかし追ってきた母に話を聞き、父を助けるふりをし、一計を案じて妓生になることを決心、その支度金を母に渡す。妓名を松伊(ソンイ)とした彩鳳は、弼成から送られた漢詩を謎解きに提示、これを解いた者に身を許すと言うが誰も解けない。

これを風の噂に聞いた弼成が訪ね彩鳳と再会、その後夜ごと二人は愛を囁きあう。一方、八十歳の平安監司李輔國は松伊が書画に長けていることを知り身受け、側に置き書信と文書を処理する仕事を任せる。弼成は彩鳳を失ったが諦めず、下級官吏になり、彩鳳との再会を図る。彩鳳は日々弼成を恋い、「秋風感別曲」を歌う。これを聞いた李輔國が二人の事情に同情、その愛に感銘を受け仲を取り持ち二人は結ばれる。


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