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“顔の見えるつながり”広げて/朝鮮文化研究会・平田賢一代表に聞く

2020年07月21日 11:58 共和国 主要ニュース

朝鮮文化研究会では、毎年希望者を募って訪朝し、参加者の感想を収めた訪朝報告書「百聞不如一見」を刊行、定期的に講演会を開催している。決して大きな規模ではないが、その活動姿勢はどこまでも愚直で誠実だ。主宰の平田賢一さん(71)は岩波書店で編集者として活動した41年間に、朝鮮関連の書籍を数十冊と手掛けてきた。退職後もひたむきに朝鮮と向き合い、行動し続ける思いとは。

名もなき訪朝団から

平田さんが朝鮮を初めて訪れたのは2010年。当初はたった2人での訪問で、訪朝団としての名前も特になかったが、岩波書店を退職した2015年以降は「朝鮮文化研究会」の名を冠して訪朝を重ねてきた。参加者の見聞録をまとめたものが「百聞不如一見」シリーズだ。第1弾(14年)、第2弾(17年)に続き、第3弾がこのほど刊行されたばかり。100ページ足らずの小冊子だが中身は背幅以上の厚みがある。テーマは人それぞれでも、本の底流には、日本社会で失われて久しいありのままの朝鮮を捉えようとする真しなまなざしがある。編者はもちろん平田さんだ。

穏やかな笑顔がトレードマークの平田さん(7月、横浜市内で)

「等身大の朝鮮を見てほしい」――、その一心でこの10年間、毎年訪朝した。今では友人に「里帰りするようだね」と言われるほど、平田さんにとって朝鮮は特別な場所になった。

最初の訪問では人民文化宮殿で朝鮮対外文化連絡協会の洪善玉副委員長(当時)を表敬訪問する特別な機会を得た。金日成主席が岩波書店の「世界」編集長で元社長の故・安江良介氏と単独で5回会見していることから、「朝鮮の人たちが歴史や人との関係を大切にするのだと思った」と話す。

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