授業受ける姿に安堵、保護者らが感謝/休校から約2カ月、オンライン授業進む
2020年05月07日 16:36 主要ニュース 民族教育新型コロナウイルスの拡大による休校措置に対処するため、各地の朝鮮学校では、小・中・高級部の児童・生徒を対象にオンライン授業を実施している。児童・生徒らは、普段と異なる学習環境のなかでも、これに対応しようと各自が時間割を設け授業を受講し、わからない問題があれば同級生同士で教え合うなど、それぞれ対策を立てながら勉学に励んでいる。
初級部低学年の場合、「長時間集中できない」「授業内容を把握したのか一定の確認が必要」などの事情から、保護者同伴で受講する場合も少なくない。
この期間、各地の学校ではオンライン授業の実施に向けて、インターネット環境やPC・タブレット機材の準備、自宅における学習の場を確保してもらうなど、保護者らの協力を得ながら学習環境を整えてきた。児童・生徒らは、オンライン授業のほかにも、学校ごとに提示された課題などに取り組みながら、休校期間を自宅で過ごしている。また教員たちも家庭訪問をするなど、子どもたちと定期的に連絡をとりながら、健康状態だけでなく課題の進捗状況などについても確認し、自身らが受け持つ児童・生徒たちを心身ともにケアできるよう心掛けているという。
これまで、初級部の国語、算数、日本語、中・高級部の国語、数学、英語の科目別に配信された授業映像は合計404本(5月1日現在)。これらの映像は、本来4月に学ぶ予定だった授業内容を中心に構成された。
一方、オンライン授業導入の流れのなかで、幼児向けの授業映像を求める声が相次いだことから、4月末からは、朝鮮幼稚園の園児らを対象にした映像が、毎日2本ずつ配信されている。映像は、各地朝鮮幼稚園の教員たちが作成した。
千葉初中と東京中高に3人の息子を送る朴英淑さんは、今回のオンライン授業について「これまで子どもたちが家でできる学習といえば、本屋で買った問題集を解くぐらいだった。時間を持て余していた子どもたちにとって、オンライン授業の実施は本当にありがたかった」と感想を述べた。
そのうえで朴さんは「授業の形式がオンラインと聞いて、最初は不安が大きかった。けれど始まってみると子どもたちは『わかりやすい』と言いながら真面目に授業を受けていた。宿題も提示されるので、家で過ごしながらも勉強の時間を確保できている」と安堵した。
(取材班)