〈時代を視る 13〉朝鮮が新兵器開発を続ける理由/廉文成
2020年04月16日 13:57 主要ニュース 朝鮮半島戦争を前提とする国際環境
朝鮮は自衛力を強化し、新兵器の開発を続けている。3月2日、9日には朝鮮人民軍前線砲兵による火力打撃訓練が、21日には戦術誘導兵器の模範射撃、そして29日には国防科学院による超大型放射砲の試験射撃が行われた。
これに対し日本の河野太郎防衛相は3月10日の記者会見で、朝鮮で「新型コロナウイルスの患者が発生しているとの報道もある。そういう中で引き締めを図っているのか、いろいろ考えられる」とし、29日にも新型コロナの感染拡大が「何らか(発射に)関係しているのではないか」と述べた。かたや茂木敏充外相は31日の記者会見で、新型コロナの世界的な感染拡大が懸念される中で「いま世界が何と戦うべきか。新型コロナの脅威だ。ミサイルを撃っているタイミングか」と朝鮮を非難した。欧州6カ国(ベルギー、エストニア、フランス、ドイツ、ポーランド、英国)も国連安保理で非難声明を発表した。
たしかに、新型コロナの影響で米南合同軍事演習が延期となり、5月に予定されていた米比定期合同演習も中止となった。また米欧による北極海での演習や米国やアフリカ諸国などによる、イスラム過激派組織を念頭に置いた演習なども次々と中止となっている。朝鮮はこの隙をついて国際社会を挑発し、海外からの物資が滞り不満が鬱積する国内の引き締めを図っているという主張であろう。
まったく朝鮮に対するまなざしは相も変わらず偏見に満ちており、ことさら日本では「北朝鮮脅威」論が無条件で受け入れられているようである。そして多くの場合、その発信源は政治家である。