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〈それぞれの四季〉ドイツの教育/李勇燦

2020年04月13日 12:58 コラム

ドイツ人の同僚と話していて興味を持った話がある。国と教育についてだ。

話の始まりは留学先でのスポーツ観戦。彼女がカナダで国際試合を観たとき、国旗を掲げて国を応援することが珍しく、驚いたという。ドイツでは、禁止こそされていないものの、国旗を大きく掲げて「ドイツ!チャチャチャ」と国を応援することは良いこととされないらしい。学校でも国旗を掲揚する機会などはなかったという。

他の同僚によると、学校の歴史授業では、過去の国家システムの暴走を「戒める」内容に多くの時間が割かれるという。それもあってか、ドイツでは学校教育が州の権限に大きくゆだねられていて、年限や教育制度も多種多様だ。日本でおなじみの、一番の大学は?といった話題をふってもピンと来ない。大学の選択はやりたい専門があるかどうか、卒業要件や周辺の雰囲気など、実用的な観点から判断するという。アジアに一般的な、全国で一貫した教科を教え、一斉テストがなされ、一律の採点基準で「学力」が判断される教育の仕組みとは対照的だと感じた

統一した教科教育にはその良さがあるし、私自身その恩恵を受けた方だと思う。一方で、全く新しい考え方を開拓したり、違いを認めて折り合いをつけるような課題に対しては、ドイツ的な教育方針が生きてくるのかもしれない。今後、もう少し詳しく知る必要がありそうだ。

(ドイツ在住、博士研究員)

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