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〈新型コロナウイルス対策〉“ありがたい存在と改めて実感”/各地の朝鮮学校で学童保育など実施

2020年03月25日 15:13 主要ニュース 民族教育

新型コロナウイルスの感染拡大と関連し、各地の朝鮮幼稚園、初級学校では、休校措置に応じた学校開放や学童保育などを実施している。これらの取り組みは、ひとり親や共働き世帯など、家庭での対応が困難な保護者が多い現状に対応するため、学校ごとの保護者らの状況に見合う形で行われている。

① 学年毎の課題に励む初級部低学年の児童と、絵本を読む園児たち(大阪第4初級)

各地の学校では、現在、9時から17時までのあいだ学童保育などの形態で学校を開放し、場合によっては延長保育なども行っている。また児童らが過ごす環境を整備するため、アルコール消毒設備の設置や教室の換気のほか、通学バスがある学校では車内の除菌などをしたうえで通常運行を行う一方、登校・登園してきた児童たちには学校での手洗い、うがいを義務化するなど対策を徹底している。

川崎初級の場合、登校した高学年児童らを対象に、毎日自分たちで「今日すること」の日程を組ませ、自主的に課題や掃除、遊びなど行うようにしている。また卒業を控える6年生は、卒業文集の制作や恩師らに渡す色紙の準備など、母校で過ごす同級生との時間を惜しむように、ほぼ毎日全員が登校していた。

初級部6年の李侑璘さん(12)は「登校の際にも学校服ではなく私服で通うし、いつもとは違う状況で卒業の日を迎えるから少し寂しい」と話しながらも、今年春から中級部1年生として神奈川中高に進学することについて「川崎では学年で唯一の女子だったから、早く同級生の女子たちと楽しく過ごしたい」と期待に胸を膨らませていた。

② 初級部高学年の児童たちは、毎日の日程を自分たちで組み実践している(川崎初級)

李さんの母で同校オモニ会会長の裵永美さんは「6年生ということもあり、少しでも思い出をつくってほしいと願う親としては、学校へ通うことができて安心している」と話す。裵さんは「日常的に忙しい従来の学校生活とは異なり、課題をしたり、卒業の準備をしながら余裕のある時間を過ごしているせいか、娘はストレスを感じるどころかいつも以上に楽しそうだ。休んでも問題ないと言っても、『絶対休まない』と話すばかり」と娘の様子に安堵しながら「常に最善を尽くし子どもたちを傍で見守ってくれる先生方に感謝している」と話した。

大阪第4初級では、保護者らの協力のもと、平日に子守りが困難な最小限の家庭を対象に学童保育を行っている。学童保育に参加した初級部2年の黄莉紗さん(7)は「トンムたちは近くに住んでいるからそんなに寂しくない」としながらも「早くみんなに会いたい」と話していた。

また同校付属幼稚班に通う全悠惺さん(6)、理惺さん(3)の母・梁慶和さん(33)は「子どもたちは家にいると『ハッキョに行きたい』『トンムたちに会いたい』といつものように言う。一日も早く日常に戻れる日が来てほしいし、この期間こうして子どもたちを預けさせてくれて、見てくれる学校の先生方に対して、改めてありがたい存在だと実感した」と感想を述べた。

厚労省の発表(3月24日公表分)によると、24日時点での日本国内感染者は1,193人(クルーズ船感染者712人を除く)、うち死亡者43人(クルーズ船感染者10人を除く)。また同日付の東京都の発表によると、都の感染者数の累計は171人と都道府県で最多となった。これと関連し、各地の朝鮮幼稚園や初級学校では、3月初旬から休校措置などの対応をとっていた。

(韓賢珠)

子どものケアと感染予防、最優先に/新型コロナ拡大に伴い、各地の学校で対策

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