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〈月間平壌レポート・2020年2月〉新型コロナ、感染防止のための努力

2020年03月06日 16:53 主要ニュース 共和国

人々の生命を守るために総力を集中

【平壌発=盧琴順】2月4日、朝鮮新報・平壌支局のある平壌ホテルが突如として封鎖された。

1月13日以降に中国を経由して入国した海外同胞、外国人は新型コロナウィルスの侵入を徹底的に阻止するための対策として隔離施設で過ごすことが義務付けられた。平壌ホテルは隔離対象者たちが立ち寄った、あるいは1日でも滞在していたとのことから、2次感染の疑いが懸念されるとして医学的監視対象施設として指定されたのだ。

毎年2月の朝鮮は観光オフシーズンとあってピーク時に比べると平壌ホテルには宿泊者がさほど多くはない。それでも金正日花祭典、金剛山歌劇団団員たちが出演する2月の光明星節慶祝在日朝鮮人芸術団公演や国際フィギュア祭典など国際行事などが行われるとあって毎年、100人ほどの宿泊者たちがいる。今年は新型コロナウィルスの緊急対策として国境を遮断され、3月に行われる予定だった行事が中止となった。平壌ホテルには在日同胞は2人、海外同胞を含むと計6人の宿泊者しかいない。コロナ防疫対策により異例づくしの2月となった。

ホテルの封鎖は1カ月以上、続いている。ホテル従業員も医学的監視対象となり一切外出禁止となった。

ホテル内は自由に歩き回ることはできるが、部屋から一歩外にでる時には必ずマスクの着用が義務付けられ、1メートルの間隔で会話をするようにと指示をされている。不必要な接触も禁じられている。

従業員たちもマスク着用が必須なのはいうまでもない。

担当者がトイレや窓、ドアノブや水道の蛇口、人が触れる場所は1日に数回消毒作業を行う。3日に1回のペースで金策工業綜合大学が開発したとされる空気消毒用オゾン発生器を用いて空室を含む全客室を消毒している。また朝、昼、晩の3回、常駐している平壌親善病院の医師による体温チェックが行われている。隔離施設でも感染者が確認できていない。それにも関わらず隔離施設となった平壌ホテルでの徹底した予防対策を見る限り、朝鮮国内で未だ感染者が発生していないということが納得できる。生命第一の政策の賜物だ。

人々が一丸となり

「この伝染病がわが国に絶対入ってこないようにしなければならない」。

2月に入り、中央テレビ22時のニュース番組の最後に男性アナウンサーが締めくくる言葉だ。

1月22日20時の中央テレビで初めて中国武漢で新型コロナウィルスが発生したことが報じられてから、連日のように新型コロナウィルスに関連した報道が流れている。

朝鮮中央テレビでは連日、コロナ新型ウィルスに関するニュースが流れた

報道では世界各国、各地域で確認された感染者数、死亡者数、重症者数、完治者数やそれに対処するための各国の「努力」なども伝えている。また国際社会に不安を与えているコロナウィルスの伝染を防ぐためには衛生知識を知らなければならないとして出勤時、職場で、退勤後の自宅で、またマスクの正しい着用方法などを詳細に伝え視聴者に徹底した予防を訴えている。

朝鮮では1月24日、国家の緊急処置に基づき、新型コロナウィルス感染症の危険がなくなるまで、衛生防疫システムを国家非常防疫システムに転換し、中央と地方に非常防疫式部を設置、防疫活動を統一的に実施。保健省と国家品質監督委員会では、中国をはじめとする諸外国への出張から帰国した人に対する把握と、外国から入ってくる物資に対する検査・防疫を強化している。外国から帰国した人に対する医学的監視を行い、感染が疑われる人に対してすぐに隔離するよう対処している。

WHOが30日、新型肺炎の感染が世界各地に広がっていることを受け、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言するよりも6日も早くに朝鮮は独自の国家緊急処置を取ったことになる。

迅速な判断により3月1日現在、朝鮮で確認された感染者はゼロである。

朝鮮中央通信によると2月28日に行われた朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議で金正恩委員長は、われわれが取る防疫措置は単なる防疫活動ではなく、人民防衛の重大な国家的活動であり、党中央委員会の重い責任であると述べ、みなが党中央の決定と指示を貫徹して国家の安全と人民の生命の安全保障に総力を集中することを強調した。

(朝鮮新報)

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