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“感染の事例なし”/新型コロナウイルス、朝鮮で緊急対策

2020年02月17日 15:32 主要ニュース 共和国

治療法・予防薬開発推進

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、朝鮮で緊急対策が講じられている。保健省のキム・ヒョンフン次官(61)によると5日現在、朝鮮国内で感染者は確認されておらず、施設で隔離されている国内外の観察対象者の中でも新型コロナウイルス感染症と確定診断された例はない。現在、朝鮮では、国家的な非常防疫システムの下、国境における検査・検疫を徹底し、住民に対し新型ウイルスの予防・拡散防止の注意を促すとともに、治療法や予防薬の開発も推進している。

感染予防のためマスクの着用が推奨されている(写真は平壌市内)

保健省のキム・ヒョンフン次官は5日、本紙平壌支局のインタビューに対して、国内に感染者がいないことを明かしたうえで、現在講じている緊急対策、展望について語った。

朝鮮では1月24日、国家の緊急措置に基づき、新型コロナウイルス感染症の危険がなくなるまで、衛生防疫システムを国家非常防疫システムに転換し、中央と地方に非常防疫指揮部を設置、防疫活動を統一的に実施している。

防衛対策において最も重視している問題が、国内で感染者を一人も出さないことだ。

キム次官によれば、保健省と国家品質監督委員会では、中国をはじめとする諸外国への出張から帰国した人に対する把握と、外国から入ってくる物資に対する検査・検疫を強化している。外国から帰国した人に対する医学的監視を行い、感染が疑われる人に対してはすぐに隔離するよう対処している。

とくに1月13日以降、中国を経由して入国した人に関しては、海外同胞、外国人も含めて観察対象者と定めて、隔離施設において医学的監視を行っている。

隔離施設では、国家的なシステムの下、必要な防護服や保護メガネ、マスクなどの医療品、食料、飲み水、生活用品などが十分に保障されている。

キム次官は今後の対策について、新型ウイルスに対して有効な抗ウイルス薬・ワクチンが開発されていないため、朝鮮でも診断および治療法と予防薬の研究・開発に注力していると話した。

有効な予防薬の研究・開発に注力している

一方、保健省では世界保健機関(WHO)をはじめとする国際機関との協力の下、新型ウイルスの拡散状況を注視し、相応の対策を講じている。

また現在、ウイルスの発生地域はもちろん国境地帯への出張、旅行を極力制限し、入国者との接触も完全に遮断するほか、国際列車・国際航路の運行と観光事業を中断しており、一連の措置は国家非常防疫システムが解除されるまで継続されるとしている。

戸ごとに毎日検診

市民に対しては、住民地区ごとに設置されている診療所を拠点に衛生宣伝と検疫を強化している。

平壌の黎明通りに位置する黎明総合診療所では、国の非常措置に基づいて1月中旬から新型ウイルス感染防止のための医療活動を集中的に行っている。

診療所には、医療担当区域制度に基づき戸ごとに住民を担当し治療する30余人の医師がいる。現在、このすべての医師が、担当する世帯を毎日欠かさず訪ねて感染検査を実施、新型ウイルスの予防に関する衛生宣伝を行っている。医師らは、住民の発熱状態、咳、呼吸障害などをチェックし、異常が確認されれば然るべき対応を取るよう努めている。こうした取り組みは、国家非常防疫システムが解除されるまで一貫して続けられるという。

戸担当の医師たちだけでなく、診療所のすべての保健従事者らが管轄の学校、幼稚園、商店、飲食店をはじめとする公共施設を巡回し、衛生宣伝および検診を徹底して実施している。

【平壌支局】

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