〈時代を視る 9〉金正恩委員長の軍事指導と米南合同軍事演習/李柄輝
2019年10月25日 14:46 主要ニュース 朝鮮半島停戦体制をめぐる攻防
米国の誤算
金正恩委員長は、今年4月の施政演説において、ハノイで示した計算法を年末までに改めるよう米国に求めた。この間、金正恩委員長がトランプ大統領の要請を受け入れ、6月の板門店で両首脳の対面が実現し、実務協議の再開が合意された。
しかし、10月のストックホルムにおける交渉について、朝鮮側の首席代表・金明吉巡回大使は「決裂」を宣言した。米国のオルタガス国務省報道官は、これに反論し「創造的なアイデア」を示したと述べたが、米国の提案は、期限付きで小規模な経済制裁の部分解除であったとされる。米国が今回の実務協議を2月のハノイ会談の延長線上に捉えていたことがわかる。だとすれば、米国は、朝鮮の対米戦略の変化を読み切れていない。