より明確な差別の禁止を/解消法3年迎え院内集会・約150人が参加
2019年05月31日 17:50 主要ニュースヘイトスピーチ解消法施行から6月で3年を迎える。29日、参議院会館で院内集会「ヘイトスピーチ解消法施行から3年 改定入管法施行後の反人種差別政策に向けて」(主催=外国人人権法連絡会、移住者と連帯する全国ネットワーク、人種差別撤廃NGOネットワーク、のりこえねっと、ヒューマンライツナウ)が開かれた。
集会は、外国人の人権に対する差別という点で問題の根本を同じにする、改定入管法(今年4月施行)およびヘイトスピーチ解消法(2017年6月施行)を結合して考え、新たな立法も射程に入れ、力を結集させていくという趣旨のもと行われた。
司会を東京大大学院特任助教の明戸隆浩氏が務めるなか、ジャーナリストの安田浩一氏、弁護士の指宿昭一氏、国士舘大教授の鈴木江理子氏、弁護士の師岡康子氏の4人が順に登壇。登壇者らは、それぞれ現行法の問題点について指摘し、今後求められる人種差別撤廃にむけた諸整備や対応について語った。
ヘイトにまみれたデマ
最初に「外国人労働者とヘイトスピーチ」というテーマで話した安田浩一氏は、発言冒頭、5月28日に小学生ら19人が死傷した川崎殺傷事件について言及しながら「事件そのものもそうだが、許しがたく憤りを感じるのは、その先のこと」だと険しい表情で口を開いた。安田氏は、事件当日から犯人の身元が確認されるまでの間、「外国人が犯人に違いない」「川崎は在日が多いから犯人は在日だろう」などネット上に大量のデマが拡散されたことに「ふざけるなという気持ちでいっぱいだ。凶悪事件が起きる度にヘイトにまみれたデマが流布され、著名人や影響力のある人々もまた、デマに踊らされる。批判されるべきは、犯罪であって、マイノリティでも国籍でもない」と訴えた。