〈人・サラム・HUMAN〉和歌山県青商会・幹事長/鄭善幸さん
2019年04月17日 09:56 主要ニュース頑張る人がおるから
ラグビー漬けの毎日を過ごした大阪朝高時代、進路について考えた時にふと思い立った。「ハッキョのために何かしたい」。それほど自分が通った和歌山初中への思い入れが強かった。朝大教育学部で学び、卒業後は地元の和歌山で教鞭を執ることに。朝青活動にも力を注いだ。
教壇を降りて以降も「学校を守りたい」という気持ちに変わりはない。「変化があるとすれば動機の部分。最近は、頑張る人がおるから頑張れる。全てを犠牲にし、必死の思いで学校事業に取り組む人がいる。同じ志を持つ仲間がいる。だから自分も学校を守るために全てを注げている」。
学校に子どもたちを送っていた時期は誰もが一生懸命、学校事業に携わっていたはずだと鄭さんは話す。現在の保護者たちも同様だ。だが、その力には限界があるという。
「学校の現状と真剣に向き合う保護者たちの姿を通じて、同胞たちに呼びかけたい。気持ちが共鳴すれば学校事業に新しい展望が開けるはず」
そう信じ、昨年度は和歌山初中創立60周年記念事業実行委員会の事務局長として誰よりも献身的に事業に取り組んだ。県青商会では幹事長を担い、昨年4月に初めて結成された和歌山初中アボジ会でも中心となって役割を担ってきた。
「民族教育に全てを捧げる先代の同胞たちの姿を見てきたから」と人知れず学校のために汗を流す。36歳。愛する母校に、2人の子どもを通わせている。
(徳)