〈第9回中央オモニ大会〉850余人が参加
2012年09月10日 10:51 主要ニュース東京朝高学区のオモニらが実行委/オモニたちのパワーを一つに
第9回中央オモニ大会(主催=同実行委員会)が8日、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)で開催された。女性同盟中央・姜秋蓮委員長と全国の女性同盟活動家、学校「オモニ会」、「オンマとオリニの集い」のオモニたち、教育関係者など850余人が参加した。
今大会では、東京朝高の学区-東京、西東京、千葉、埼玉のオモニらが実行委員会を構成し、準備に取り組んできた。
大会1部ではまず、姜秋蓮委員長があいさつした。姜委員長は、前大会開催以降の3年間は厳しい情勢の中、オモニたちが子どもたちを思う一心で、オンマとオリニの集いや学校のオモニ会活動をはじめ、特に民族教育の権利を守り獲得していくための闘いを粘り強く展開してきたと指摘。新たな時代のニーズに合わせて、各地域でオモニたちの力を一つにし、子育てと民族教育の強化発展のための取り組みにおいて、さらなる成果を生み出そうと呼びかけた。
青商会中央・洪萬基会長もあいさつに立った。
次に、北陸地方で今年4月に発足したオンマとオリニの集い「パンシル」、学校側と保護者が一丸となって廃校の危機から学校を守った西東京朝鮮第2初級学校、1世同胞の思いを受け継ぎ校舎建替えのために立ち上がった東京朝鮮第1初中級学校の取り組みと人々の思いがそれぞれ映像で紹介された。
続いて、朝鮮大学校サッカー部監督の金鍾成さんと弁護士の金舜植さんが自身の朝高生時代を振り返りながら、子育て中のオモニたちへの提言を行った。
分科別に催し
大会2部は、7つの分科別にさまざまな催しが行われた。
ミニシンポジウム「集まれ! オモニ会」では、各学校オモニ会活動が紹介されたほか、弁護士の裵明玉さんが朝鮮学校への「高校無償化」制度適用をめぐる民族教育の権利問題について話した。
ほか、食育レシピの紹介やピラティス、ベビー&キッズマッサージ講座、ウリマル遊びなど、多様な体験コーナーを設けた「オンマとオリニマダン」、子育て問題などを取り扱った各種講演をはじめ、「4.24教育闘争」をテーマにしたマダン劇公演(劇団「タルオルム」)、子どもの性の問題を考える映像作品などの上映会も開かれた。
中でも、「子どもの自立と親の役割」(心理カウンセラー・山崎雅保さん)と、30都道府県・400余人のオモニたちからのアンケート調査に基づき子育てにおける悩みの実態を分析した「オモニ相談室」(養護教員・徐千夏さん)など、思春期の子どもの問題を取り扱った講演は、定員オーバーになるほどにぎわいを見せた。
山崎さんの講演を聴いた呉京子さん(49、東大阪中級オモニ会副会長)は「自分の子育てを改めてふり返る良い機会だった。子育ての際にはつい親の気持ちを押し付けがちだが、子どもの声に耳を傾け歩み寄ることの大切さを感じた」と話した。
オモニ代表を国連に
大会3部では、今後もオモニたちの力で子どもたちの明るい未来を切り拓いていこうという呼びかけ文と、朝鮮学校への「高校無償化」制度即時適用を求める文科省宛の要望書が採択された。
また、今後も「高校無償化」適用を求める全国署名運動を展開すること、そして、「高校無償化」制度からの除外をはじめ朝鮮学校の処遇問題を国際社会に広く訴えるため、オモニ代表を来年5月の国連社会権規約委員会に派遣することが決まった。
大会の締めくくりとして、東京中高の生徒たちの記念公演が行われた。
福岡からやって来た金絹姫さん(40、北九州初級オモニ会会長)は「各地方ごとに状況は違っても、大会を通じて子を一番に思うオモニたちの気持ちは同じだと感じた。特に、1部の映像で紹介されたように、ウリハッキョがない、もしくは距離が遠くて通えないなど、さまざまな困難を抱える地域でわが子の民族性を育もうとするオモニたちの姿から、すぐ近くにハッキョがある私たちが知りえない思いを感じることができた。各地のオモニたちが心を一つにして、学校を守らなければならないと改めて思った」と大会の感想を述べた。
実行委員長の朴史鈴さん(44、東京中高オモニ会会長)は「今日は売店活動を通じて交通費を工面するなどして地方から駆けつけてくれた参加者もいたと聞き、こちらも大きな力をもらった。大会全般の内容を、少しでもオモニたちの実生活に役立つようなものにするよう心がけたが、参加者たちにとって大会が意義深い場となってくれればうれしい」と話した。
(文=金里映、写真=盧琴順)