〈2019 朝鮮半島を読む 2〉朝鮮経済の可能性~知識経済への移行に向けて/姜日天
2019年02月01日 10:00 主要ニュース 共和国民族の和解と協力、平和と統一への思いを熱くたぎらせた平昌オリンピックの興奮が冷めやらぬなか、2018年4月20日に開催された朝鮮労働党中央委員会第7期第3回総会では、経済建設と核武力建設の並進路線が勝利のうちに終結したことが宣言され、社会主義経済建設に総力を集中するとした新たな戦略的路線が示された。
さらに2019年の新年の辞で金正恩委員長は、4年連続で国家建設課題の筆頭に経済部門を挙げ、「新たな成長段階への移行」を呼びかけた。経済部門を優先課題に据えるのは、朝鮮労働党第7回大会で国家経済発展5カ年戦略が打ち出された2016年以来、一貫している。
ただ例年とは違って、5カ年戦略の目標を達成するための部門別の課題に先立って、「人民経済全般」の「整備、補強」や「経済発展の新たな要素と動力」の活用、「経済法則」と「経済的テコ」の「作用」、さらに「主たる戦略的資源」としての人材育成と産学連携のための「制度的措置」など、あまり目にしたことがないような諸問題が冒頭で述べられている。
その意図について思慮をめぐらせつつ、朝鮮経済の近況とそれが目指すところについて私見を述べてみたい。