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〈取材ノート〉一筆啓上、文科相さま

2012年02月22日 16:00 コラム

朝鮮学校に対する「高校無償化」問題が浮上し、3度目の卒業式を迎えようとしています。2年以上にも渡る子どもたちのたたかいを、どんな気持ちで見てきたのでしょうか。

取材ノート日本政府は、ことあるごとに口実をつけ、結論を先送りにしてきました。「外交上の問題や教育内容は問わない」と繰り返してきましたが、拉致担当相(当時)のたわごとに唆され、朝鮮学校を外し、審査基準を明確にしたにもかかわらず、朝鮮半島での問題を持ち出しては、審査手続きを中断させてきました。これが政治的理由以外の何だと言うのでしょうか。

こうした動きは、朝鮮学校に対する補助金の凍結など、各自治体にも派生し、さらには、偏見に満ちたねつ造記事も加わり、在日朝鮮人に対する日本人の差別意識を助長しています。

オモニたちは、「『無償化』制度実施の前の状態に戻して」と訴えています。「無償化」法案は、子どもたちに学習の機会を平等に与えようというすばらしい制度でしたが、「朝鮮学校外し」という問題が浮き彫りなり、子どもたちの心に影を落とし、在日朝鮮人がそれまで以上に住みづらい社会になってしまったという汚点を残したと言っても過言ではありません。

卒業式は目前に迫っています。子どもたちが「喜びの」卒業式を迎えられるかは、この結論を左右するあなたの一声にかかっています。

子どもたちが晴れ晴れしい顔で、母校を巣立っていけることを願ってやみません。(裕)

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