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「松代大本営」動員名簿の調査要請/長野の市民団体が政府に

2018年08月23日 10:54 主要ニュース

北、南、日本が合同で調査を/2600人の動員朝鮮人名簿

長野県の市民団体「松代大本営追悼碑を守る会」(以下、守る会)は、太平洋戦争中、松代大本営工事などに従事した2600人の朝鮮人名簿をもとに、日本政府に対し同工事の真相調査を行うよう要請した。守る会は、先月18日、安倍首相と加藤厚労相宛に要請書を送付し、▼名簿に基づき日本政府が北と南の政府と共同調査を行うこと▼朝鮮人労働者への補償が必要な場合は、工事に関係した企業などとともに適切な措置を取ることを求めた。

名簿の多くは「帰鮮関係編纂」と記された史料にあった。

名簿は、45年に作成された史料「帰鮮関係編纂」内の「移入朝鮮人労務者名簿」に含まれる。同史料は、敗戦後、長野県内で労働に従事した朝鮮人を帰国させるために工事事業者や警察署が作成したもの。また、長野県が作成した史料「内鮮調査報告書類編冊」内の「半島人輸送資料」と記された文書には、当時、県内に約8千人の朝鮮半島への帰国予定者がいたことが記録されている。

上記の史料は既出のものだが、朝鮮人強制連行真相調査団が03年に公開した「朝鮮人強制連行42万人名簿」には含まれていない。今後、名簿の活用が見込まれる。

守る会の塩入隆会長は、「名簿を手掛かりに工事関係者の足跡をたどれば、工事の実態に繋がる証言を得ることができるはずだ」としながら、「日本と韓国、朝鮮が協力し、真相調査を進めることができたら」と期待を寄せる。

一方で、「帰鮮関係編纂」と「内鮮調査報告書類編冊」は先月、関係者を通じて北側の「朝鮮日本軍性奴隷および強制連行被害者問題対策委員会」に届けられた。同委の桂成訓委員は朝鮮新報の取材に対し、名簿を基に被害者と遺族の調査を進める意向を示すとともに、名簿の大半が忠清道や慶尚道、全羅道など朝鮮半島南部の出身であることから「北南が協力し、真相調査を行うべきだ」としている。

(金宥羅)

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