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〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 1〉「4.24」と日本の文学者

2018年04月18日 13:57 寄稿

「歯を食いしばって、眼をむいて怒っている」

「民主朝鮮」1948年5月号の「巻頭言」(明石書店刊 復刻版より)

「いま日本に在住しているわれわれ朝鮮人は歯を食いしばつている。眼をむいて怒つている。唇を噛んで泣いている。再びわれわれは、日本の反動支配に襲われようとしているのだ」―これは1946年4月創刊の日本語雑誌「民主朝鮮」48年5月号に掲載された巻頭言「日本の文化人に訴う―民族教育弾圧に抗して―」の冒頭の文である。いうまでもなく、「4.24教育闘争」直後の文章である。

同誌翌月号は教育闘争特集号であったが、GHQ当局により発禁処分となった。その中の、小説家・鹿地亘による「一つの比較―民族教育の問題について」が、検閲・一部削除されて8月号に登場する。この文章で鹿地は民族教育弾圧について、「日本は、帝国主義日本が作り出した罪悪的な事実に対して充分責任を負い、このような弱者の立ち場にある過渡的な民族に対して保護を加える義務を感じなければならない」「『帝国』の伝統的政策の夢をすて得ない戦犯の徒の粛清を徹底することがいかに大切か」と問うた。これは当時ばかりか、現在の日本に向けてこそ戦後責任認識とともにアクチュアルな問いとしてあらためて読み返されるべき言葉だろう。

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