〈月間平壌レポート 3月〉別れ、そして新たな門出
2018年03月29日 10:26 主要ニュース 共和国大学入試も様変わり
【平壌発=李相英】3月に入って平壌では日中の最高気温が10度を上回る日々が続く。中旬を過ぎると最低気温が氷点下まで下がる日もめっきり少なくなった。春の訪れとともに、街も人も装いを新たにしている。
卒業式の風景
3月といえば、別れや新たな門出の季節だ。
3月下旬のある日、平壌市内の中学校の卒業式を取材した。
足を運んだのは綾羅高級中学校。同校は大学進学率が市内でもトップクラスの学校として名高い。卒業生400人のうち180人ほどが大学へ進む。とくに女子生徒の進学率が高く、180人中の120人が大学に進学するという。
午後3時前から運動場で始まった卒業式は、校長の祝賀あいさつ、卒業生代表(2人)と教員の答辞、表彰、卒業証書と大学合格通知書の授与と進んだ。
卒業生たちに卒業後の進路について話を聞いてみた。オ・ジャンソンさんは平壌建築総合大学に進学する。「建築・設計の分野で国に貢献したい」と同大を志望したのだという。一方、パク・ソンギョンさんは軍に志願した。動機は、「軍事力で国を守るという使命に自分の身をささげたい」というものだ。二人とも進む道は異なっても、「国のために」という思いは共通していた。
同校は九州朝鮮中高級学校と姉妹校の関係をむすんでいる。昨年、修学旅行で同校を訪れた九州中高高級部3年の生徒たちと交流会が行われた。
「祖国で過ごした日々を忘れないで」「互いに離れているけど、心は一つ。祖国の富強繁栄と統一のために」
交流会に参加した生徒たちから、九州朝高の卒業生に向けてメッセージが送られた。
「朝鮮大学校に進学したら、祖国でまた会えますよね」
数年後、同じ大学生として再会の希望を語る卒業生たちもいた。
大学に進む生徒たちは今後も市内で互いに顔を合わせる機会が少なくないが、軍務に服す道を選んだ生徒たちとは長い別れを覚悟しなくてはいけない。クラスメートたちとの涙の別れは、朝鮮でも卒業式の日の定番の光景となっている。
コンピューターによる大学入試
卒業式つながりで、大学入学と関連したトピックをひとつ。今年から大学入学試験が全国一斉にコンピューターを使った方式で実施された。