〈E-1サッカー選手権・男子〉貴重な経験を成長の糧に/大会を終えた同胞選手たち
2017年12月20日 11:13 スポーツ 主要ニュース「EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会」(8~16日)に出場した朝鮮男子代表の同胞選手3人にとって、今大会はサッカー人生を歩んでいくうえでの貴重な経験となっていた。
MF李栄直選手(16番)は全3試合にスタメン出場してチームの主軸を担った。しかしパフォーマンスには満足していない。プラス材料と言えば「J1のクラブに所属している日本選手をはじめ能力の高い各国の選手たちと対等に渡り合えたこと」。
来季はJ2・東京ヴェルディでプレーする。カマタマーレ讃岐からの移籍が発表されたのは16日。同日、新天地の本拠地である味の素スタジアムで行われた中国戦のスタンドには早速、東京ヴェルディのサポーターが駆けつけ「李栄直ようこそ」と書かれた横断幕を掲げていた。李選手は「来季はクラブで存在感を発揮して、J1でプレーするための足がかりとなるシーズンにしたい」と意気込んでいる。
西東京第1初中出身のFW安柄俊選手(10番)は地元の同胞たちが熱い声援を送る中で、2試合に途中出場し、最終戦では試合開始からピッチに立った。果敢にゴールを狙う姿勢を見せ、中国戦では両チーム最多の5本のシュートを放ったが得点には結びつかず。「ゴール近くで冷静にプレーすることが必要」だと痛感した大会だった。
とはいえ、大会を通じて代表でのキャリアを築いていく「イメージを描けた」とも。それを「確固たる自信」にするためにフィジカルと判断力に磨きをかけたいと語った。
DF金聖基選手(7番)は出場機会を得られなかったが、アンデルセン監督の評価は決して低くなかった。監督いわく、多くの試合を共に戦ってきたセンターバックのペアを固定して3試合に臨んだが、一方が欠場した場合のファーストチョイスは金選手だったという。
「日本で代表戦を行う機会は滅多にない」と金選手。だからこそピッチの外で試合を見守るしかなかった状況が歯がゆかった。「一人でも多くの同胞の子どもたちにプロサッカー選手を目指してほしい」。そのような気持ちを抱きながら、さらなる成長を誓っていた。
(文・李永徳、写真・盧琴順)