尹東柱生誕100年
2017年12月04日 10:44 春・夏・秋・冬夜空を見上げると都内でもくっきりとした星の瞬きが確認できる季節になってきた。
▼「高校無償化」で顕著に現れた日本政府の朝鮮学校差別。今年広島、東京の地裁判決で見られた公的機関による朝鮮学校への蔑視と排除、全面否定は、朝鮮学校に関わるすべての人々の心を深く傷つけた。
▼今月生誕100年を迎える朝鮮の詩人・尹東柱は、植民地時代に使用を禁止された朝鮮語で詩を書き続け、民族の尊厳と支配者への抵抗を貫き通した。95年、彼の永眠50周年を記念して留学先であった京都・同志社大学内に尹東柱の詩碑が建立され、今年10月には友人と最後に記念撮影をした京都・宇治川沿いに「記憶と和解の碑」が建立された。現在は東京の留学先であった立教大でも学生を中心に詩碑設立に向けた募金活動が行われている。
▼尹東柱が見上げた「他人の国」の星空の下、今日も在日同胞たちが民族教育の正当な権利を求め闘っている。子どもたちもまた都会の朝鮮学校児童・生徒は毎朝殺人的な通勤ラッシュに揉まれて登校し、寄宿舎暮らしの生徒らは親元を離れ、遠距離通学生は星のまたたく早朝に家を出てとっぷりと日が暮れたあと家路につく、はたまた1人学級でも健気に朝鮮の言葉と歴史、文化を学びながら学校生活を送っている児童もいる。
▼尹東柱に思いを寄せる世界中の人々に、今も「他人の国」の朝鮮学校の灯下で「朝」を待ち焦がれる子どもたちがいることを知ってもらいたい。(潤)