〈高演義先生の情熱教室〉朝米対決を中心に国際情勢をいったん整理する
2017年09月01日 14:21 主要ニュース 朝鮮半島朝米対決の構図。これほど、気が遠くなるくらい永い戦争状態で睨み合っている2国間関係というのも、珍しい。
2006年夏、私は朝鮮大学校学生を引率して朝日友好・人道の船で平壌を訪れたが、7月4日の米建国記念日への“贈り物”ミサイルが発射され、それで、無関係なはずの日本の第1次安倍政権が痙攣を起こし、その船「万景峰92号」の航行を遮断したため、結局私は、同船で祖国訪問した最後の団長のひとりということになってしまった。ロシア経由の飛行機便でようやく日本にたどり着いた私たちを、さらに待ち受けていたのは、「初の核実験をする」という朝鮮政府の声明だった。
時あたかも朝鮮大学校創立50周年記念行事の準備たけなわだった。周辺では「まさか平和国家である祖国がそんなことするはず、ないのでは」、「核開発は主席の教示違反だ」と息巻く声も。そのときなぜかこの私は、ごく自然にこう断言している。「朝鮮はやると言えば、きっとやるだろう」。10月9日、朝鮮は声明どおりに核実験を実施した。
次に、2009年4月、国産ロケット「銀河2号」による光明星2号の打ち上げ(日本の麻生内閣時)である。ちょうどプラハでのオバマの「核なき世界」演説当日のことだ。私は請われて「全朝鮮半島の非核化と迷走する日本外交」という論文を、日本反核法律家協会機関誌「法と民主主義」(09年6月号)に発表した。つまり、あまたの日本マスコミ報道の真逆を述べ、皆をあっと言わせてしまったのである。
朝鮮の先軍政治とは何か。それは平たく言って、「人民が武装して何が悪い」という開き直りの思想なのだ。なぜ侵略目的の帝国主義軍隊だけ銃を持つのか、なぜ殺人鬼にのみ銃所持を許すのか、という平和と正義の叫びである。