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日本人士らが抗議文/石川県知事の暴言に対し

2017年06月24日 16:08 主要ニュース

石川県知事の暴言(6月21日)に対して、日本人士らが抗議文を発表した。

谷本・石川県知事の暴言への抗議文

「北朝鮮の国民を餓死させろ」との谷本知事の暴言に対し、怒りを込めて抗議します。「餓死させる」ということは「人を殺す」ということです。しかも、殺人を犯すなかで、「餓死」はもっとも凶悪で非人道的な犯罪です。知事という要職にある人物の発言とは到底信じられません。撤回すれば済む問題ではありません。改めて暴言のどこがどう間違っていたのか、なぜこうした間違いを犯したのか、みずから謝罪・釈明のための会見を開くよう要求します。

谷本知事は、朝鮮に住む人々を同じ人間とはみなしていません。もし自らがそうした仕打ちを受けたらどう思うのか、相手の立場に思いをめぐらせることができていません。これでは県民の生活を守る知事として失格です。

知事の暴言は、知事自身の心の奥にある朝鮮人に対する差別観・蔑視観が表出したものと言わざるをえません。それは、歴史的経緯から日本に定住せざるを得なくなった在日朝鮮人に対する差別観・蔑視観につながっています。

いま、在日朝鮮人に対するヘイトスピーチが大きな社会問題となり、これを規制する法律が昨年成立したばかりです。しかしながら、知事の暴言は、こうしたヘイトスピーチをいまだ繰り返す排外主義集団をかえって鼓舞し、正当化するものです。知事の暴言は絶対に許すことができません。

私たちは、南北朝鮮の自主的平和統一を支持する運動を長年にわたり繰り広げています。南北が敵対・対立するのではなく、対話・交流・協力しあうことが、朝鮮半島の緊張緩和につながり、ひいては日本の平和にもつながるとの考えです。これに対し知事の暴言は、朝鮮の内部崩壊を導くことが、日本の平和のためになるとの考えです。それは、朝鮮に対する実質的な侵略行為に他なりません。

戦後の日本政府は朝鮮植民地支配についていまだに謝罪も償いもしていません。知事の暴言は、朝鮮に対する過去の清算をしないですまそうとする暴挙にもつながりかねず、到底容認できません。

私たちは、日本政府が過去の清算に基づく日朝国交正常化を実現することが、朝鮮半島と日本の平和実現の近道であると確信しています。これと相いれず、歴史の歯車を逆戻りさせようとする知事の暴言を、私たちは断じて許すことができません。

2017年6月23日

朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会

議長 日森文尋


2017年6月23日

石川県知事

谷本正憲 様

谷本正憲 石川県知事の発言に対する抗議声明

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 藤本泰成

報道によると石川県の谷本正憲知事は6月21日、金沢市内で行われた県町長会定期総会後の懇親会で、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)による弾道ミサイル発射に関し「(県内の)北陸電力志賀原発を狙う暴挙をするなら、兵糧攻めにして北朝鮮の国民を餓死させなければならない」と発言した。翌22日に谷本知事は「人命は尊重されなければならない」として前日の発言を「撤回する」としながらも、「北朝鮮の国民に影響が及ぶ可能性があるが、内部から体制が崩壊していくような状況をつくることが必要だ」などと同じような主張を繰り返した。

わたしたちはこうした谷本知事の暴言に対して断固抗議する。

谷本知事の発言は朝鮮に対する敵愾心をいたずらに扇動し在日コリアンへの差別・ヘイトスピーチを助長しかねない。日本にはいまだに韓国、朝鮮、そして在日コリアンに対する差別意識が根強く存在している。さらに近年は「高校無償化制度」からの朝鮮学校排除に象徴されるように、政府・自治体による差別も問題とされている。石川県知事という要職につく者の発言は社会的影響が大きい。谷本知事は公人としての責任を全く自覚していない。

「内部から体制が崩壊していくような状況をつくることが必要」という発言は、東アジアにおける戦争危機を煽るという点で問題である。朝鮮による度重なる核実験やミサイル発射の背景には、日米韓3国による軍事的挑発がある。朝鮮の「体制が崩壊していくような状況」を作ろうとしてきたこれまでの政策が、むしろ朝鮮の態度を硬直化させ核武装の道へと追い込んできたのである。しかし今、韓国では「対話による解決」を掲げる文在寅政権が誕生し、米国のトランプ政権も圧力を加えながらも体制の崩壊までは求めないとする対朝鮮政策を決めたばかりだ。朝鮮の脅威を煽りながら「戦争できる国づくり」を正当化しようとする日本のあり方は許すことはできない。真の平和を願うのであれば、「対話による解決」を目指して取り組んでいかなければならない。

わたしたちは、谷本知事に対して21日・22日の両発言について真摯に謝罪し撤回することを要求する。敵意をむき出しにするのではなく、対話を通じて信頼関係を築いていくことのみが現在の東アジア情勢を打開する唯一の道であること、そして日本国内からヘイトスピーチをなくし真の多文化共生社会を実現する道であることを、谷本知事には理解していただきたい。


2017年6月23日

石川県知事

谷本 正憲 様

日朝学術教育交流協会

会長 中村 元氣

「北朝鮮国民餓死を」暴言に対する抗議文

私たちは、日本教職員組合傘下の19の都道府県教職員組合や高等学校教職員組合などで構成する日朝学術教育交流協会です。私たちは、憲法前文で謳う「全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」という理念・精神に反する、今回の貴職による「兵糧攻めで北朝鮮国民を餓死させないといけない」という発言を、到底許すことができない暴言であり、言語道断、即刻撤回と謝罪と、その責任を果たされることを望むものであります。

どんなことがあろうとも、また、どんな人であろうとも今回の「餓死させる」という言葉は使ってはいけないし、ましてや、「国民・県民の生命と生活を守る」ことを責務としている、県知事という公職にありながらの暴言は決して容認できません。

さらに、「餓死させる」とは、言い換えれば「殺人計画」「殺人予告」ともとらえかねません。直ちに、誠意を持って謝罪すると共に責任の明確化など、強く求め、抗議いたします。

(朝鮮新報)

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